
2020年09月23日 15:03 公開
オーストラリア南部タスマニア島に打ち上げられたクジラは推定470頭ほどに上ると、地元当局が23日発表した。同国における最多記録とみられる。
多数のゴンドウクジラがタスマニア島西岸の浅瀬に打ち上げられているのは、21日に発見された。当初は270頭ほどとされていたが、当局はさらに200頭ほど増えるとの見方を明らかにした。
当局によると、ヘリコプターで状況を調べていたチームが22日、別の打ち上げられたクジラの群れを見つけた。最初の群れが発見されたマクアリー・ヘッズ付近の海岸から、約10キロメートル離れた場所だったという。
新たに見つかった約200頭のほとんどは、死んでいるとみられるという。もとは同じ群れにいたと考えられている。
タスマニア州当局のニク・デカ氏は、「空から見た限り、救助活動は必要ではないように思われた。それでも確認のためにボートが向かっている」と話した。
浅瀬では救助活動が続けられている。これまでに少なくとも90頭が死んだという。
クジラが打ち上げられた理由はわかっていない。ゴンドウクジラは群れの結束が強く、それが何らかのかたちで影響した可能性があると専門家らは指摘している。
再び打ち上げられるクジラも
時間との闘いになっている救助活動では22日、25頭が海に戻された。しかしそのうちの何頭かは、潮の流れによって再び打ち上げられたという。
「クジラの頭数が増え、死んだクジラも増えているのはとても残念だ」とデカ氏は話した。
救助活動は23日も続いており、さらに多くのクジラを助けたいと同氏は述べた。
470頭のクジラが打ち上げられたのはオーストラリアの最多記録とみられ、当局が確認している。
タスマニア島の最多記録は1935年の294頭。2009年には約200頭が打ち上げられた。
オーストラリアで見られるクジラの座礁のうち、8割以上がタスマニア島で発生している。