2020年10月04日 14:19 公開

イギリスのボリス・ジョンソン首相と欧州連合(EU)のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は3日、電話で協議した。英首相官邸は、両者がブレグジット(イギリスのEU離脱)後の通商協定の「重要性をめぐって一致した」と発表した。

英政府によると、EUとの協議は前進した。しかしまだ「大きな隔たり」が残っているという。

ジョンソン氏とフォン・デア・ライエン氏は、今後も定期的に話し合いを続けることで合意。「EUとイギリスの未来の戦略的関係において強固な基礎となる」協定を結ぶことが重要だ、との見解で一致したという。

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イギリスとEUの協議は前日、合意に至ることなく決裂していた。漁業権や政府補助金などの主要問題で、双方が相手に対し、歩み寄るよう要求している。

イギリス側の首席交渉官デイヴィッド・フロスト氏は、双方の隔たりを解消する作業を「来週速やかに始める」とツイートした。


ジョンソン氏は電話会談に先立ち訪れたリーズで、EUとカナダの間で結ばれた協定のようなものが望ましいと述べた。同時に、イギリスは「合意なき離脱」の用意はできていると強調した。

「どちらの道にも進む決意と準備があり、うまくやってみせる。だが、私たちの友人とパートナーにかかっている部分が大きい」とジョンソン氏は話した。

妥協する可能性はあるかと記者から聞かれると、「通商のバランスはEUに大きく傾いている。輸出量はEUのほうがずっと多いし、製造量でもそうだ。双方がうまくやる大きなチャンスはあると思う」と答えた。

ジョンソン氏はまた、合意なき離脱により、イギリスが主に世界貿易機関(WTO)のルールに従ってEUとの通商に臨むことになっても、「とてもうまく行く」との考えを示した。そうした事態を、オーストラリア・スタイルの取り決めと表現した。

EU側も「深刻な不一致ある」

ジョンソン氏はEUとの協議の期限を、EU首脳会議がある10月15日に設定している。

EUと半年にわたって交渉してきたフロスト氏は、合意の概要は見えているとしている。一方で、EUのさらなる歩み寄りがなければ、争点となっている漁業権の問題は解決できないと述べている。

これに対し、EU側のミシェル・バルニエ首席交渉官は、「いくつかの重要点で前進が見られなかった」と説明。気候変動のほか、政府補助金や漁業権など「EUにとって重要な問題においてずっと存続している、深刻な不一致」がそのままだとした。

イギリスは今年1月にEUを離脱し、現在は移行期間にある。

イギリスとEUの交渉は3月に始まり、新型コロナウイルスが流行する中も続けられてきた。しかし、通商協定の交渉期限が今年末に迫る中、合意を危ぶむ声も出ている。

交渉では、貿易における政府補助金のあり方と、漁業権をめぐるルールが大きな争点となっている。

EU側は通商協定について、EU加盟国の手続きを年内に終わらせるためには、今月末までに合意する必要があると主張。

一方、ジョンソン氏は、今月中旬までに合意できない場合は、「次の段階に進む」べきだとしている。

(英語記事 PM and EU chief 'agree importance of Brexit deal'