当時の第三次緊急提言では、財政破綻の懸念から復興増税が提言されている。この提言が出る前の学者たちの審議内容をまとめた報告書を見ると、日本の経済学者の知的堕落ぶりが明瞭である。経済の停滞を解消するための財政・金融の積極的な政策を回避するマインドが鮮明である。


(3)このような拡張的政策の一部は緊急の救済策や復興支援によって先取りされているが、さらに追加すべきかに疑念を表明する経済学者もいる。特に、物価インフレは日本の名目利子率に上昇傾向をもたらし、国債負担を増加させ、日本の財政規律に対する信認を揺るがす可能性があるからである。その時、日銀による金融政策はゼロ金利の時よりもさらに難しい舵取りが必要になるだろう。


 また当時、筆者たちが主張していた日本銀行に復興債を引き受けさせ、それで大胆な金融緩和と財政支出をすべきだという正攻法については、日本の経済学者たちは下記のような認識だった。アベノミクスから新型コロナ危機を体験しているわれわれから見ると、日本の経済学者の大半がいかに使い物にならないか明瞭である。


復興債の日銀引き受けに関しては、すでに国の債務残高が860兆円に達している日本において、財政規律がさらに緩んだというメッセージを国の内外に与える可能性が高い。それは、長期金利の高騰などの大きな副作用をもたらすことになり、日本のギリシャ化の回避という立場から極力避けるべきだという意見が圧倒的に多い。


 日本の債務残高は現在、1300兆円ほどだが、長期金利の高騰もなく、ギリシャ化の懸念もない。むしろ国際通貨基金(IMF)など国際機関は新型コロナ危機でできるだけ財政政策で国民を救済し、またそれができない低所得途上国には日本などが財政支援すべきだとしている。

 いかに日本の経済学者たちが使えないしろものかを示す代表例である。ちなみに2013年の提言では、日本の長期停滞を脱出するのに、具体的には財政再建しか言及していない。

 アベノミクスのように積極的な金融政策と財政政策が主張されていたが、そのときも日本の経済学者は一貫して使えない提言を繰り返していた。金融緩和については、基本的には反対ともとれる姿勢を打ち出し、また経済成長との両立と言いながら、財政再建だけは具体的な提言をし続ける。その後の日本経済を考えると、これまた驚くべき知的退廃である。


日本も含めた先進国は、現在、高齢化の進行過程で低成長を余儀なくされていて、膨大な財政赤字から財政政策の選択肢が大きく制約される状況にある。この局面では、実体経済の底上げのために、金融緩和の強化が選択される傾向がある。一般的に、デフレ脱却のために金融政策は有効な筈だが、現在のデフレの背景には金融緩和だけでは解決できない需要不足等の要因もある。伝統的な金融政策の効果に限界がみられ、国債残高が膨大に積み上がるなかでの金融緩和の強化は、国債の信認維持にとりわけ注意しつつ運営していく必要がある。

日本学術会議の建物=東京都港区
日本学術会議の建物=東京都港区
 単に会員たちの権威好きを満たしているだけの腐臭の強い組織だと、何度も強調しておきたい。ちなみに日本の防衛に非協力的でいながら、中国の軍備増強に協力的で、スパイ行為の疑いも強い中国の千人計画を後押ししているという疑惑もある。本当だとしたら、これこそ国会で追及すべきだろう。