2020年10月07日 15:10 公開

広く尊敬を集めているギタリストで、米ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」を共同結成したエディ・ヴァン・ヘイレンさんが6日、がんで死去した。65歳だった。息子が公表した。

オランダ系アメリカ人のヴァン・ヘイレンさんは、喉のがんの治療を続けていた。

バンド「ヴァン・ヘイレン」は、1984年に米チャートで1位となったヒット曲「ジャンプ」で知られる。

2006年から同バンドでベースを担当している息子のウルフギャングさんは、インスタグラムで哀悼の意を表明。最高の父親だったと語った。

「ステージ上とそれ以外で彼と共に過ごしたすべての時間が、かけがえのないものだった」

「この喪失で打ちひしがれていて、完全に回復するとは思えない。父さん、とても愛している」

https://www.instagram.com/p/CGA4YQmlmSr/


ロック音楽の大御所らもソーシャルメディアで、「ロックギター界のモーツァルト」への敬意を表明。ハードロックバンド「キッス」のボーカル、ジーン・シモンズさんは、ヴァン・ヘイレンさんを「ギターの神様」と呼んだ。

ヴァン・ヘイレンさんの死去を最初に報じた芸能人ニュースサイトTMZによると、ヴァン・ヘイレンさんは6日、米カリフォルニア州サンタモニカのセント・ジョンズ病院で家族に囲まれて亡くなった。

ここ1年ほど入退院を繰り返し、最近になって化学療法を受けていたという。

家族は息子ウルフギャングさんの他、2009年に結婚した妻ジェイニー・リゼウスキさんがいる。

スターへの道のり

ヴァン・ヘイレンさんはオランダ・アムステルダムで生まれた。父ヤンさんはクラリネットとサックス、ピアノの奏者だった。その音楽的影響を受けながら、子ども時代にピアノの演奏を学んだ。

家族は1962年にカリフォルニア州パサデナに移住。ピアノも船で運んだ。

ヴァン・ヘイレンさんは2012年の米誌エスクァイアのインタビューで、「私たちは実際、こっちに来る途中の船上で音楽を演奏していたんだ。本当だよ! 『人生で何をやり遂げたいんだ?』といった感じではなかった。父さんは『稼がないといけない』と言っていた。もし音楽がなかったら、私たちは生き残っていなかった」と述べた。


成長期のヴァン・ヘイレンさんは、関心がドラムに移り、さらにギターへと変わった。当初は父親と兄アレックスさんと共に、結婚式やユダヤ教徒の男性の成人式で演奏していた。

大人になると、1970年代初めにロサンゼルスでバンド「ヴァン・ヘイレン」を結成。自らはギター、アレックスさんはドラムを担当した。ボーカルはデイヴィッド・リー・ロスさん、ベースはマイケル・アンソニーさんだった。

名前をタイトルにした1978年のデビューアルバムでは、ヴァン・ヘイレンさんを中心に曲が作られたとされる。このアルバムは米ビルボードチャートの19位に入り、当時最も成功したデビューの1つとなった。

最大の成功は6作目のアルバム「1984」だった。このアルバムでは、ヴァン・ヘイレンさんはギターよりシンセサイザーに力を入れた。「ヴァン・ヘイレン」として唯一、米チャートで1位を記録したヒット曲「ジャンプ」や、MTVで人気を得た「Hot For Teacher」は同アルバムに含まれている。

「ジャンプ」はまた、英チャートでも1984年に7位に入り、イギリスにおける唯一の目立ったヒット曲となった。


「ジャンプ」以外にヴァン・ヘイレンさんがイギリスで知られたのは、マイケル・ジャクソンさんの1983年のヒット曲「今夜はビート・イット」でギターソロを演奏したことだろう。

2007年には「ロックの殿堂」入りを果たした。「叶わぬ賭け」(Ain't Talkin' 'Bout Love)から「パナマ」に至るまでの「ヴァン・ヘイレン」の数々のヒット曲で、見事なギター演奏をしたとして称賛された。

右手でギターの弦を押さえる「ライトハンド奏法」を洗練させ広めた。ヴァン・ヘイレンさんの超高速演奏の技巧は、1980年代の多くのロックギタリストたちに影響を与えた。

がんとの闘い

ヴァン・ヘイレンさんは長年にわたって、異なるがんの症状に見舞われていた。

最初は舌がんで、2001年に確認された。当時、がんに打ち勝つとファンに宣言。治療を受けた後、手術で舌の約3分の1を取り除いた。


2002年には、がんは消えたと判定された。しかし、ニュースサイトTMZは昨年、ヴァン・ヘイレンさんが5年間にわたってアメリカとドイツを行き来し、放射線治療を受けながら喉のがんと闘っていると報じた。

TMZによると、ヴァン・ヘイレンさんは治療中もコンサートに出演し、息子ウルフギャングさんと練習を続けていたという。

哀悼メッセージ相次ぐ

「キッス」のボーカルのシモンズさんは、「打ちひしがれている。エディはギターの神様だっただけでなく、真に美しい精神の持ち主だった。安らかに、エディ!」とツイート。

米ロックバンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のベース、フリーさんはツイッターで、ヴァン・ヘイレンさんを「美しく創造的な心」、「真のロッカー」などと表現した。

https://twitter.com/flea333/status/1313566546527244288


「ヴァン・ヘイレン」のロスさんが1984年に脱退した後、ボーカルとして加わったサミー・ヘイガーさんは、ヴァン・ヘイレンさんと撮った写真をツイッターに投稿。「悲しみにくれ言葉もない。ご家族に愛を」と記した。

また、「2020年はこれ以上悪くはならないと思っていた時に、エディ・ヴァン・ヘイレンが死去したと聞いた。あまりにショックだ。これまで会って共にツアーを回った中で、最もいい人で、地に足がついた人物だった」とした。

https://twitter.com/sammyhagar/status/1313573065524047873


ロックグループ「パンテラ」は、ヴァン・ヘイレンさんから「多大な影響」を受けたとツイート。「安らかに、エディ・ヴァン・ヘイレン。『ヴァン・ヘイレン』はヴィニーとダイムとパンテラに多大な影響を与えた。今ごろ彼らが一緒にロックしまくっていることを望んでいる!」と書いた。

映画「スター・ウォーズ」に出演した俳優のマーク・ハミルさんは、ウルフギャングさんにお悔やみを伝え、こう加えた。

「彼は長い間記憶され、ロック界の並外れたギターの名手として永遠に生き続ける。それを癒しとしてほしい」

(英語記事 Legendary guitarist Eddie Van Halen dies aged 65