2020年10月08日 14:00 公開

韓国の国会情報委員会の委員長が7日、2018年に駐在中のイタリアから姿を消した元北朝鮮大使代理が現在、韓国に住んでいると明らかにした。

駐イタリア北朝鮮大使代理だったチョ・ソンギル氏は、2019年7月から韓国に滞在しているという。

この事実が確認されれば、チョ氏は1997年以降で最も高官の脱北者となる。

一方、当時イタリアに滞在していたチョ氏の10代の娘の所在が懸念されている。この娘は北朝鮮に送還されたとみられる。

イタリア外務省は、この娘は両親が失踪した後、2019年2月に自ら希望して北朝鮮に戻ったと説明している。

どうやって脱北したのか

チョ氏は2018年11月、妻と共に予告なく姿を消した。駐イタリア北朝鮮大使代理の任期が終わる直前だった。

当時の報道では、北朝鮮政府の高官を父と義父に持つチョ氏は、西側の第三国への亡命を求めてイタリア政府の保護下にあるとされていた。

チョ氏に関する情報は6日、韓国の野党議員がフェイスブックに、チョ氏が妻と共に韓国政府の保護下で暮らしていると投稿したことで明らかになった。これを7日、国会情報委員会のチョン・へチョル委員長が認めた。

チョン委員長は、「チョ元大使代理は2019年7月に自主的に韓国へ到着した。以前から韓国行きを繰り返し希望していたと聞いている」と話した。

韓国の情報機関はこれについてコメントしていない。

娘はどうなったのか

チョ氏の娘については、10代だということ以外はほとんど明らかになっていない。

聯合ニュースによるとチョン委員長は、チョ氏は「北朝鮮に残っている家族を案じ」、自分の所在などを明らかにしてほしくないと述べているという。

2016年に脱北した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使は、脱北者の家族は制裁を受けているはずだと語っている。

「脱北した外交官がどこに住んでいるかによって、北朝鮮に残された家族の処遇や罰の度合いが決まる」

「韓国に亡命したとなれば、チョ氏は裏切り者と断じられる。裏切り者の家族にどのような制裁が下るかは誰にも分からない」

韓国の国家安全保障副顧問を務めていた野党側のチョ・テヨン議員も、韓国政府がチョ氏の情報を漏らしたことを批判。「チョ氏の娘のことを考えれば、人道的な配慮に全く欠けた行いだ」と述べた。

これに対し、カン・ギョンファ外交部長官はチョ氏の所在の情報に「驚いた」と述べ、娘の安全を心配した。

北朝鮮の外交官は、失踪や亡命を防ぐため、国内に家族を残した状態で派遣されることが多い。

(英語記事 Missing N Korean ambassador 'living in S Korea'