2020年10月09日 12:45 公開

欧州各地で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、フランス政府は8日、新たに4都市で感染症対策の制限を強化すると発表した。

南東部リヨン、グルノーブル、サン=テティエンヌ、北部リールでは10日から、警戒レベルが最高に引き上げられ、バーやレストランなどの営業が禁じられる。

フランスでは8日に、新規感染報告が1万8129件に上った。すでに南部マルセイユで9月から、首都パリでは先週から、同様の措置が取られている

オリヴィエ・ヴェラン保健相は8日の記者会見で、「ここ数日、いくつかの都市で状況が悪化している」と説明。「毎日、感染者が増えている」と話した。

フランスの新型ウイルス警戒レベルは、地域の感染者が10万人当たり250人を超え、集中治療室の病床の30%がCOVID-19患者で埋まった段階で最高となる。

パリではすでに集中治療室の病床の半分近くを新型ウイルス患者が占めており、市内の病院は8日から緊急態勢に入った。

欧州ではオランダ、ポーランド、ウクライナ、チェコなどが同じような状況にある。いずれの国も8日、1日当たりの感染報告数記録を更新した。

パンデミックの抑制に成功していたとされるドイツでも、保健相が感染者の増加を懸念していると発言している。


現在、欧州と南北アメリカ、東南アジアでの流行が、世界の新型コロナウイルス患者の数を押し上げている。

世界保健機関(WHO)は8日、過去24時間の新規感染報告が33万8779人と、過去最多を更新したと発表した。

ドイツの状況は?

ドイツではこの日、1日の新規感染者が前日より30%近く増えて4000人以上となり、4月以降で最多となった。

ロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、同国のこれまでの感染者は31万144人、死者は9578人となっている。

RKIのロサール・ウィーラー所長は記者会見で、感染者数が比較的少ないからもう対策は必要ないという「パラドックス」に陥らないよう注意すべきだと述べた。

「現在の状況をとても心配している。ここから数週間でどのように変化するのかわからない。1日1万件以上の新規感染が起きる可能性、ウイルスを制御できなくなる可能性もある」


イエンス・シュパーン保健相は、ドイツ国民は新型ウイルス対策を日常に取り込んで「慎重に活動している」と称賛。一方で、「この成果を賭けで失うような真似をしてはいけない」と忠告した。

特に、「自分は無敵だ」と思っている若者たちが大勢で集まり、他人と距離を取る施策を守っていないと指摘した。その上で、ベルリンとフランクフルトが夜間のイベントに時間制限を付けた措置を歓迎した。

ドイツでは現在、秋の学期休暇が始まっており、国内旅行にも制限がかけられている。10万人当たりの感染者が50人以上いいる「危険地域」からの旅行者は、ホテルやアパートでの宿泊が禁止された。

さらに、この期間中は国外旅行も避けるよう通達が出されている。

また、感染者の多い地域では大規模集会が禁止されているほか、感染リスクの高い国からの渡航者には空港での検査が義務付けられている。交通機関や店舗でマスクを着けない人は罰金が科せられる。

その他の欧州各国の状況

  • イギリスでは8日、新たに1万7540人の感染が報告された。イギリスではこれまでに54万人以上が感染し、約4万2000人が亡くなっている
  • ロシアのこの日の新規感染者は1万1493人。全体では126万人以上が感染している。政府は今週末は自宅にとどまるよう国民に呼びかけている
  • ベルギーの首都ブリュッセルでは10月いっぱい、全てのバーやカフェ、喫茶店などの営業が禁止されることになった

WHOによると、欧州全体ではこれまでに650万件以上、新型コロナウイルスの感染が報告されている。

(英語記事 Four French cities to shut bars as virus spreads