
2020年10月13日 12:18 公開
ドナルド・トランプ米大統領は12日、フロリダ州サンフォードで支持者集会を開いた。新型コロナウイルスに感染していると2日未明に発表したトランプ氏はこの日、マスクを外して数千人を前にし、「自分はもうかからない」、「力がみなぎっている気がする」などと述べた。また、自分には「免疫がついた」ため、「皆さんの中に入って、みんなにキスして回る」と話した。ホワイトハウスは同日、トランプ氏が「陰性」で「他人にうつすことはない」という主治医の診断を発表した。
激戦州フロリダの屋外会場には、数千人が集まった。その多くはマスクをしていなかった。
トランプ氏は自分もマスクを外し、「自分はもう免疫がついてかからないらしい。本当に力がみなぎっている気がする。皆さんの中に入って、全員にキスする。男たちにも、美しい女性たちにも。皆さんに盛大にキスする」と述べた。
トランプ氏はほかに、自分の政権下で株価が上昇したと強調。宇宙軍の創設や、複数の保守派判事を連邦最高裁に送り込んだことを、自分の功績として挙げた。また、感染対策のための規制継続を求める民主党を批判し、対立候補ジョー・バイデン前副大統領について、知的能力が不十分だと非難した。
「もう4年!」と繰り返す参加者の多くは、トランプ氏がこうして公の場の行事に出席するのは別に早すぎないし、むしろ尊敬に値すると話した。
「陰性」と主治医
ホワイトハウスは同日、トランプ氏が抗体検査で陰性と判定されたという主治医の診断を発表した。
アボット社のBinaxNOW抗体検査で複数の日にわたり陰性だったことや、その他のウイルス検査の結果から総合して、ウイルス再生を示す兆候はなく、「大統領が他人に感染させることはない」と結論したという。
トランプ氏は今週ほかに、ペンシルヴェニア、アイオワ、ノースカロライナ各州でも同様の集会を開く予定。
全国的な世論調査では、野党・民主党のバイデン大統領候補のリードが続く。そうした中でトランプ氏は、大票田フロリダ州やペンシルヴェニア州での勝利を必要としている。
注目されるフロリダの行方
人口が多く、そのため大統領に直接投票する選挙人の数も多いフロリダ州などで勝てば、全国的な世論調査の支持率がどうであっても、大統領選に当選することができる。
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フロリダ州の選挙人は29人で、同州で勝った候補はこの29人全員を獲得する。全国の選挙人の過半数270人を獲得した候補が、大統領になる。逆に、フロリダを落とした候補が当選するのは非常に難しい。
トランプ氏は2016年に僅差でフロリダ州で勝利した。ニューヨーク出身のトランプ氏は、昨年9月にフロリダ州に住民登録を変更している。
バイデン氏は全国的な世論調査では10ポイント前後、トランプ氏にリードしているが、各種世論調査の平均によるとフロリダ州では3.7ポイント差と接戦状態にある。
フロリダ州では新型コロナウイルスのため1万5000人以上が死亡している。
バイデン氏は13日に、同州を訪問する予定。
この日のバイデン氏はもうひとつの激戦州オハイオを訪れ、2カ所で遊説。
「トランプ大統領は今日サンフォードを訪問し、無謀な行動と分断をあおる物言いだけを持ち込み、恐怖をあおった」と非難した。
(英語記事 US election 2020: Trump back on campaign trail in Florida)