
2020年10月15日 9:59 公開
アメリカのドナルド・トランプ大統領(74)の息子バロンさん(14)が新型コロナウイルスに感染していたことが14日、明らかになった。バロンさんはその後のウイルス検査で陰性と判定されたという。メラニア大統領夫人(50)が公表した。
メラニア夫人は14日、「My Personal Experience with Covid-19」(私の個人的なCOVID-19体験)と題したエッセイをホワイトハウスのウェブサイトで公表。その中で、自身とトランプ大統領の感染が判明した後、息子がウイルス検査で陽性と判定されていたと明かした。
息子の陽性が分かり「不安が現実になった」と思ったと述べた。
ただ、「幸運にも息子は丈夫なティーンエイジャーなので、症状は現れなかった」とした。
トランプ大統領は14日、選挙活動のためアイオワ州へ移動する際に記者団の質問に応じ、バロンさんの体調は「良好」だと明かした。
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メラニア夫人の公表内容
メラニア夫人は、自身とトランプ大統領の陽性が判明した時のことを、「当然、私の頭の中にすぐに息子のことが浮かんだ」と振り返った。
直後のウイルス検査ではバロンさんは陰性と判定され、「大いにほっとした」ものの、後に陽性になるのではと不安だったという。「息子が再検査で陽性と判定され、私の不安が現実になった」。バロンさんに症状はなかったという。
「ある意味、3人が同時期に感染したことで、互いの世話をしたり、一緒に過ごしたりできたのは嬉しかった」
メラニア夫人は自身の感染が分かった時のことも振り返った。体の痛みや咳、倦怠(けんたい)感などに襲われ、「症状の急激な変化」を体験したと述べた。
そして、「治療の面では、ビタミンや健康的な食品を選ぶようにし、より自然な方法を選んだ」とつづった。
回復期間中に「1番インパクトがあった」のは、「家族や友情、仕事、そしてありのままの自分に忠実であり続けることなど、多くのことについて考える機会」があったことだとした。
メラニア夫人はできるだけ早く職務を再開させる方針だという。
トランプ氏は選挙活動を再開
感染が判明後、メラニア夫人はホワイトハウス内にとどまったが、トランプ大統領はワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センターに3日間入院。ステロイド剤「デキサメタゾン」や抗ウイルス薬「レムデシビル」、モノクローナル抗体など多数の薬物治療を受けた。
12日にはフロリダ州サンフォードで支持者集会を開き、選挙活動に復帰。支持者を前に「今は免疫がついているらしい」、「本当に力がみなぎっている気がする」などと話した。
トランプ氏の主治医は11日、トランプ氏には他の人を感染させるリスクはないと述べた。
トランプ氏が再選を狙う11月3日の米大統領戦までは残り3週間を切っている。
ホワイトハウス関係者が相次いで感染
9月26日にホワイトハウスで行われた最高裁判事候補の指名式典が、ホワイトハウス関係者の間での感染拡大につながったとみられている。
この式典に出席していたトランプ氏の元上級顧問のケリーアン・コンウェイ氏や、マイク・リー上院議員(共和党、ユタ州)やトム・ティリス上院議員(共和党、ノースカロライナ州)も陽性と診断された。
トランプ大統領夫妻は2日未明、新型ウイルス検査で陽性と判定されたと明らかにした。トランプ氏は治療のため一時入院したが、現在は回復している。
夫妻が感染を公表してから数時間後、メラニア夫人の首席補佐官ステファニー・グリシャム氏はバロンさんがウイルス検査で陰性だったと発表していた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、アメリカではこれまでに790万人以上が新型ウイルスに感染し、21万6597人が死亡している(日本時間15日午前時点)。