2020年10月17日 13:37 公開

動画投稿サイトYouTubeは15日、「QAnon(Qアノン)」と呼ばれる陰謀論に関連するコンテンツを削除したと発表した。今後もQアノンを含む、特定の個人や組織への暴力を正当化する陰謀論を掲げるコンテンツを禁止する。

ソーシャルメディアのツイッターやフェイスブックはすでに、Qアノン関連のアカウントや投稿を禁止するなどの措置を取っており、これに続いた格好だ。

米連邦捜査局(FBI)は昨年、「陰謀論に鼓舞された国内過激派」について警告を発し、その中でQアノンの脅威を指摘している。

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YouTubeはブログに掲載した声明で、既存のコンテンツ規則に従って「数万件のQアノン関連の動画と、数百件の関連チャンネルを削除した」と説明。

また、「次々と変遷していく」コンテンツの管理は難しいとした上で、「ヘイト(憎悪)やハラスメント(嫌がらせ)を減らすためにはさらなる対策」が必要だと述べた。

「我々はヘイトおよびハラスメントに関する規則を拡大し、現実世界での暴力を正当化してきた陰謀論を駆使して、特定の個人や組織を標的にするコンテンツを禁止することにした」

こうしたコンテンツの例として同社は、「ある人が有害な陰謀論に関わっているとほのめかすことで、その人を脅したり嫌がらせしたりするコンテンツ」と述べている。

Qアノン陰謀論が最初に登場してからYouTubeがこうした規則の拡大に至るまでに、3年かかっている。

Qアノンの活動は、インターネットで拡散しているさまざまな偽情報と関連している。その多くが米民主党を標的とした根拠のない批判だ。

ドナルド・トランプ大統領はこれまで自身のツイッターアカウントを使い、Qアノン陰謀論関係のアカウントが発信している根も葉もない疑惑を拡散してきた。

また15日の対話集会では司会者にQアノンを否定するか質問され、「よく知らない」と確答を避けつつ、「私は(Qアノンについて)何も知らないが、小児性愛に強く反対していて、そのために猛烈に闘っているのは知っている」とも答えている。

一方で8月には、「Qアノンについては詳しく知らないが、僕のことが大好きなのは知っている、それは評価している」と話していた。

11月3日の米大統領選を前に、トランプ大統領の支持者がQアノンの旗を掲げたりTシャツを着たりしている姿が目撃されている。

今月14日、バラク・オバマ前大統領は、トランプ氏と共和党がQアノンに活動の場を与えたと批判した。

オバマ氏は出演したポッドキャストで、「トランプは、偽情報とその加速の原因と同義になっている」と指摘。「Qアノンのような狂った陰謀論が共和党の主流に流れ込んでいるのを見れば、共和党系のメディア体系にもはやガードレールなどないことが分かる」と話した。

Qアノンとは?

Qアノンは根拠のない広範囲の陰謀論から成っている。その根幹には、トランプ大統領が政財界とマスコミのエリート層に巣くう、悪魔崇拝の小児性加害者らによる「ディープ・ステート(闇の政府)」と戦っているというテーマがある。

Qアノンは2017年10月ごろ、インターネット掲示板「4chan」への匿名投稿で始まった。投稿者は、トランプ大統領が率いる秘密の捜査チームに関わるという情報を次々と掲載した。

この情報が「Q承認」という、米政府でもトップレベルの機密情報だという触れ込みから、Qアノンという名前が付けられた。

一連の投稿はやがて、「Qドロップ」や「ぱんくず」と呼ばれるようになった。トランプ支持のテーマやスローガンや誓いの言葉などが散りばめられ、はたからは分かりにくい言葉遣いの内容が多かった。

Qアノンの内容は、2016年大統領選前に出回った、民主党の政治家らが首都ワシントンのピザ店で小児虐待組織を運営しているなどとした陰謀論「ピザゲート」から派生している。

(英語記事 YouTube cracks down on QAnon conspiracy theory