2020年10月21日 11:45 公開

米司法省と11州は20日、米テクノロジー大手のグーグルがインターネット検索市場やオンライン広告の独占を維持するために反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして、連邦地裁に提訴した。

アメリカの規制当局による大手企業に対する訴訟としては、約20年ぶりの大型訴訟。

グーグルをめぐっては、1年以上にわたり国内外での慣行が厳しく調査されていた。

グーグル側は、提訴には「深刻な欠陥」があると反論している。

同社は同分野では激しい競争が維持されており、顧客を最優先に運営していると主張している。

「人々がグーグルを使用するのは、強制されたり、あるいは代替手段が見つからなかったりするからではない。自らグーグルを選んでいるからだ」

独占をめぐる懸念

グーグルを提訴したのは、米司法省とテキサスなど11州。グーグルがメーカー側に毎年数十億ドル(数千億円)を支払い、自社の検索エンジンがブラウザや携帯電話などのデバイスのデフォルトオプションとしてインストールされるようにしていると指摘している。

当局は、こうした取引により、グーグルはインターネットにおける「門番」的地位を確保し、米国内での検索エンジンの約8割の流通経路を所有あるいは制御できるようになっているとしている。

「グーグルはこのようにして、インターネット検索の競合他社を排除してきた」

「一般的な検索エンジンの競合他社は重要な流通、規模、製品認知を拒否され、グーグルに対抗する本当の機会を得られなくなっている」

また、「『グーグル」という言葉が同社とその検索エンジンを指す名詞としてだけでなく、インターネットで検索するという意味の動詞にもなっており、グーグルがあまりにも支配的になっている」とも付け加えた。

当局はこうした取引により、プライバシーとデータ保護の観点から検索の質を損ない、選択肢を減らし、技術革新を妨害することで市民に損害を与えているとしている。

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米ワシントンの反トラスト団体、オープン・マーケッツ・インスティテュート(OMI)のサリー・ハバード氏は、グーグルを提訴するまで「時間がかかったが、提訴にこぎつけたことは素晴らしい」とツイートした。

ほかの複数の州も独自の調査を開始しており、今回の訴訟に加わるか、個別に提訴する可能性があるとしている。

米大統領選直前の提訴

11月3日に米大統領選を控える中での提訴をめぐっては、ドナルド・トランプ米大統領が2期目当選を果たした場合に、インターネット分野における企業の影響力に立ち向かうつもりだと示すためではないかとの疑問が上がっている。

しかし当局は、選挙前に提訴できるよう調査を急いだことはないとした。

ジェフリー・ローゼン司法副長官は、「我々は正当な事実と法がある場合に行動している」とし、同省による技術分野の競争慣行に関する見直しは今も続いていると付け加えた。

グーグルをめぐっては欧州連合(EU)も同様の提訴をしている。同社は総額82億ユーロの制裁金に不服を申し立てている。

内訳は次の通り。

  • 2017年:オンライン検索で自社のショッピングサービスを競合他社よりも優遇したとして24億2000万ユーロの制裁金を科した
  • 2018年:モバイルOS「アンドロイド」で自社アプリを不当に促進したとして43億ユーロの制裁金を科した
  • 2019年:競合他社の広告をブロックしたとして15億ユーロの制裁金を科した

時価総額が1兆ドル(約110兆円)超のグーグルの親会社アルファベットは今後、司法省とも争うとみられる。

(英語記事 US files landmark lawsuit against Google