2020年10月22日 11:26 公開

ローマ教皇フランシスコ1世は21日、ローマ国際映画祭で上映されたドキュメンタリーの中で、同性カップルにも婚姻関係に準じた権利を認める「シビル・ユニオン」を認めるべきだとの考えを明らかにした。

ローマ教皇の生涯や職務を描いた、エフゲニー・アフィネフスキー監督のドキュメンタリーの中で、ローマ教皇は「同性愛者には、家族の一員になる権利がある」と述べた。

「彼ら(同性愛者)は神の子であり、家族の一員になる権利がある。誰も見捨てられたり、惨めな思いをさせられたりしてはならない」

そして、「我々はシビル・ユニオン法を作らなくてはならない。そうすれば、(同性愛者は)法的に保護される」と述べた。

ローマ教皇はまた、自分は同性カップルの権利のために「立ち上がった」とも述べた。これは、ローマ教皇がブエノスアイレス大司教時代に、法律で同性婚を認めることに反対していた一方で、同性カップルのための法的保護の一部を支持していたことを指しているとみられる。

教皇の今回の発言は、同性愛者の権利容認について、これまでで最も明確なものと受け止められている。

しかし、BBCのマーク・ロウェン記者は、教皇ははっきりと同性愛者の権利について言及はしたものの、カトリック教会の教義自体が変更される兆しはないと指摘した。同性愛者などの重要な事柄について教義を変更するには通常、まずは内部で議論した後、もっと正式な形で提示されるという。

同性カップルも教会へ

ドキュメンタリーには、教皇が男性同士のカップルに対し、子ども3人と一緒に教会へ来るよう勧めるシーンもあった。

教皇の伝記を執筆したオースティン・アイヴァリー氏はBBCに対し、今回の発言には「驚かなかった」と語った。

「教皇はブエノスアイレス大司教として、こういう立場をとっていたので」と、アイヴァリー氏は述べた。「同性カップルの婚姻には常に反対していたが、同性カップルに法的保護を与えるためのシビル・ユニオン法を教会が推奨すべきだと信じていた」。

カトリック教会の現在の教義では、同性愛は「常軌を逸した行為」とされている。

ローマ教皇庁(ヴァチカン)は2003年、「同性愛者の尊重は、同性愛者の行動や同性愛カップルの法的承認につながるものでは決してない」とした。

同性愛について教皇はこれまで何と

教皇のLGBT(性的少数者)の権利に関する今回の発言は、同性愛者を完全にではなく部分的に支持するという内容だった。

2013年に出版された「天と地の上で( On Heaven and Earth)」の中で、教皇は、法的に同性愛カップルを異性同士の結婚と同等にみなすことは、「人類学的退行」になりうると述べていた。

また、同性同士のカップルが養子縁組を認められれば、「子どもたちに影響を与える可能性がある。(中略)すべての人に男性の父親と女性の母親が必要だ。それが、彼らのアイデンティティの形成を助けるからだ」とも述べた。

教皇は同年、同性愛行為は罪だと断じるカトリック教会の立場を再度表明した一方で、同性に対する性的指向は罪ではないとした。

「同性愛者で、神を求める善意のある人間を、私は裁けるだろうか?」と問いかけた。

2014年には教皇が取材に対して、同性愛カップルのシビル・ユニオンへの支持を表明したと報じられたが、ローマ教皇庁の広報はこれを否定した。

教皇はその後2018年には、聖職者の間での同性愛は「深刻な問題」で「心配」だと述べた。

(英語記事 Pope indicates support for same-sex civil unions