2020年10月24日 11:11 公開

エマニュエル・マクロン仏大統領は23日、フランスの新型コロナウイルス対策は少なくとも来年半ばまで続くと述べた。フランスで確認された感染者数は同日、累計100万人を超えた。

フランスでは23日、新たに4万人の感染と298人の死亡が確認された。ほかに、ロシア、ポーランド、イタリア、スイスなどで過去最多の感染者が確認された。

世界保健機関(WHO)は、現在の欧州での感染者急増にどう対応するかは、新型ウイルス対策においてきわめて重要な局面だと指摘。医療機関の逼迫(ひっぱく)を防ぐためにも、速やかな行動を呼びかけた。

欧州では1日の新規感染者が過去10日の間に2倍以上に増えた。欧州大陸の累計感染者は約780万人で、約24万7000人が死亡している。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は記者団に、「今後数カ月は非常に厳しいものになる。一部の国は危険な方向へ向かっている」と述べた。

世界全体の感染者は累計4200万人以上、死者は110万人以上に達している。

フランスの状況は

パリ近郊の病院を訪れたマクロン大統領は、「良くても来年夏まで」新型ウイルスの感染は続くと専門家から予測の報告を受けたと明らかにした。

ただし、フランスが再び全面的もしくは部分的なロックダウンに入るか決めるのは、まだ時期尚早だと述べた。

23日から6週間にわたり、国内の約3分の2の地域で夜間外出禁止令が実施される。約4600万人が影響を受ける。

1日の新規感染者数が3000~5000人レベルに戻れば、この夜間外出禁止令は緩和できるとマクロン氏は述べた。これは、8月末の感染状況に匹敵する。

一方で、パリのAP-HP病院グループの代表、マルタン・ヒルシュ氏は、感染の第2波は前回より厳しいものになる恐れがあると警告している。

ヒルシュ氏は地元メディアに対し、「ここ数カ月、第2波などないとか、あるいはあっても小さい波に過ぎないとか、そういう意見があるが、状況は反対だ」と述べた。

AP-HPグループの病院で現在、集中治療を受けている多くは中高年で、自主隔離していたものの、帰省した子供たちにうつされたのだと、ヒルシュ氏は話した。

「感染していても自分も誰も気づいていない陽性者が大勢、街中にいる」とヒルシュ氏は付け加えた。

フランスには集中治療用の病床が約5000床あり、現在はその半数近くを新型ウイルスによる感染症COVID-19の患者が使用しているという。

ジャン・カステックス仏首相も、入院患者は今後さらに急増する可能性があるとして、「今日新しく確認された感染者は、明日の入院患者だ。11月は厳しいものになりそうだ」と述べた。

スペインの状況は

スペインは21日、欧州で初めて感染者が100万人を超える国になった。しかし、ペドロ・サンチェス首相は23日、「本当の」感染者の数はおそらく300万人以上だろうと述べた。

サンチェス首相はスペイン国民に、「決意と社会的規律と必要な団結」を示すよう呼びかけたものの、新しい感染対策は発表しなかった。

スペインの保健相や一部の地方自治体はサンチェス首相に、夜間外出禁止令の発令を呼びかけている。しかし、経済への打撃からこれに消極的な自治体もある。

議会で少数与党の社会労働党を率いる首相は、夜間外出を全国的に禁止するには、新しく国家非常事態を宣言する必要があるとして、これには全ての自治州政府の同意が望ましいと述べている。

首都マドリードは市当局の反対を乗り越えて部分的ロックダウンが2週間前から実施されてきたが、24日に終了する。その後は深夜0時から午前6時にかけて、複数の世帯が屋内で共に過ごすことが禁止される。バーの入店率は満員の半分に制限される。

カスティーリャ・イ・レオン州とバレンシア州はそれぞれ、独自に夜間外出を制限する。また南部アンダルシア州はグラナダ市で夜間外出を制限する方針という。

しかし、サンチェス首相は現状について、全国的な厳しいロックダウンを実施した今年3月の状況とは異なるという見解を示した。感染者の年齢の中央値も下がっている。

それ以外の欧州各地の状況

イタリアの公衆衛生当局は、多くの地域で状況は緊急事態に迫りつつあり、接触者の完全な追跡はもはや不可能だと述べた。南部カンパーニャ州ではすでに夜間外出は禁止され、学校も閉鎖されているが、州政府幹部は全面的なロックダウンを求めている。

スイスでは、1日の新規感染者が6634人と記録を更新した。来週にも全国的な規制強化が予想されるが、学校閉鎖はそれに含まれない見通し。

ロシアでは、1日に報告される新規感染者が1万7340人と記録を更新した。

ポーランドは全国的な「レッドゾーン」ロックダウンを開始。これには小学校やレストランの部分的な閉鎖も含まれる。

チェコのアンドレイ・バビシュ首相は、ロマン・プリムラ保健相の辞任を求めた。保健相がマスクをせずに、営業していないはずのレストランから深夜に出てくる写真が、大衆紙によって報道されていた。プリムラ氏は9月に保健相に就任したばかり。

ドイツでは、24時間に1万1424人の新規感染者を確認した。「実効再生産数(R)」は1.1のため、感染拡大が抑制できていることを示す。

オランダは、自国の病院の負担が過剰になりつつあるため、患者をドイツに移送し始めた。

ポルトガルは、北部3カ所の都市でロックダウンを実施。人口計15万人が影響を受ける。来週の連休には全国的な移動制限が実施される。

ギリシャはアテネなどの地域に夜間外出禁止令を出した。24日から実施され、深夜0時半~早朝5時までの外出が禁じられる。


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(英語記事 Virus to stay 'at least until next summer' - Macron