2020年10月24日 14:01 公開

アメリカで23日、新型コロナウイルスの感染が確認された日別の人数が8万3000人を超え、過去最多となった。

米誌アトランティックなどが各州保健当局のデータを集計する企画「Covid Tracking Project」(COVID追跡計画)によると、23日には新たに8万3010人の感染が確認された。これまでの最多は7月17日の7万6842人だった。

米疾病対策センター(CDC)は23日の感染状況をまだ発表していないが、22日については新たな感染者が過去3番目に多い7万4380人だと発表していた。

COVID追跡計画によると、新型ウイルスのパンデミックが始まって以来、アメリカで確認された感染者は850万人近くに達している。

アメリカではこの1週間で新たに44万1541人の感染が確認されている。7日間での増え幅は7月末以降で最大となった。

感染後にCOVID-19で死亡する人数も過去6日間で増え続けているが、今年4月に1日2000人以上が亡くなっていた当時よりはまだかなり少ない。

入院する人数も増えている。COVID追跡計画によると、23日の時点で病院でCOVID-19の手当てを受けている人は4万1485人だった。これは8月末以来最多だが、これも4月や7月よりは少ない。

米厚生省公衆衛生局のジェローム・アダムス長官は、入院する人数は増えているものの、治療方法の改善から致死率は下がっていると述べた。

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、北半球の状況は「重大な局面」を迎えていると警告。記者団に、「今後数カ月は非常に厳しいものになる。一部の国は危険な方向へ向かっている」と述べた。

世界全体の感染者は累計4200万人以上、死者は110万人以上に達している。

アメリカでは、アストラゼネカやジョンソン・アンド・ジョンソンなどワクチン開発中の製薬各社が、規制当局の承認を得て治験を再開している。

どの州で感染が拡大しているのか

ノースダコタ、サウスダコタ、モンタナ、ウィスコンシンの中西部各州で感染者が急増している。

11月3日の大統領選で接戦が予想され、勝敗にも大きく影響するオハイオ州では、3日連続して感染者数が過去最多を更新している。

ほかにも中西部では、イリノイ州やインディアナ州が23日に記録的な感染者数を確認した。

マスク着用が義務化されている南西部ユタ州でも、感染者が過去最多になった。

ギャリー・ハーバート州知事は、新型ウイルスのため州内の病院は深刻な状況にあると警告。「これまでは(州内の)病院は、COVIDかどうかにかかわらず、手当を必要とするすべての患者に優れた手当てを提供できていた。しかし今では、それがぎりぎりの状況だ」と述べた。

「ユタの住民が真剣になって、大勢の集まりを制限してマスクを着けなければ、州の医療従事者は良質な手当てを必要とする全員にそれが提供できなくなる」

大統領選への影響は

アメリカのパンデミック被害は11月3日の大統領選において、重要な論点になっている。

22日夜の大統領候補討論会で、ドナルド・トランプ大統領と対立候補のジョー・バイデン前副大統領は、互いの対応を批判し、今後とるべき対策についても大きな違いを見せた。

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23日に激戦州フロリダで集会を開いたトランプ氏は、パンデミックはもうすぐ終わると約束。バイデン氏は危機を誇張して有権者を怖がらせることで、支持を獲得しようとしていると述べた。トランプ氏は討論会でも、近いうちにワクチンが使えるようになり、ウイルスは消えていくと述べた。

一方で、科学者の意見を取り入れた対策の重要性を強調するバイデン氏は、地元デラウェア州のイベントで、トランプ大統領はもはやウイルス対策を諦めたのだと批判した。

バイデン氏は、もし自分が大統領になった場合は、各州知事にマスク義務化を要請し、全国的な検査体制を立ち上げ、個人用防護具の国内生産を命じると述べた。

バイデン氏はさらに、COVID-19ワクチンが承認された暁には、アメリカの全国民に無償で提供すると公約した。

ホワイトハウスも同様の計画を9月に発表している。

(英語記事 Coronavirus: US cases reach record high amid new wave of infections