吉川圭一(グローバル・イッシューズ総合研究所代表)

 今、米国で、かつて民主党大統領候補の支持母体として存在した「ニューディール連合」に代わる「トランプ連合」が生まれつつある。それはグローバル化を推進してきた民主党や財界とは違い、米国を真に愛する米国人による連合だ。

 グローバル化は米国を経済格差の大きい社会をつくり出した。2016年の大統領選で民主党候補だったヒラリー氏が勝利した地区の地域総生産(GRP)が、トランプ氏が勝った地区の1・8倍だったことがそれを象徴している。

 経済格差への対処だけではない。グローバル化による移民の増加も受け入れたため、民主党は、米国籍でありながら「米国が嫌いだ!」という人々が、18年の中間選挙以降、特に多く集まるようになってしまった。

 こうした人々が主張する医療や環境などに関する政策は米国を財政的に破壊させかねない。彼らの思想の背景に日本で言う「自虐史観」がある。米国にも日教組ならぬ、いわゆる「米教組」があり、やはり米国の人種差別の歴史や格差問題を過度に強調する自虐史観教育を行っている。米国が好きな若者は14%しかいないと言う報告もある。これでは「反米米国人」で、日教組教育によって「反日日本人」が増えたとされるのと同じだ。

 「反米米国人」と「反日日本人」が協力して、よりよい世界を形成することは不可能であろう。日本を愛する日本人と、米国を愛する米国人が協力してこそ、よりよい世界を形成できる。

 米国に愛国心を持つ者は、どれほど相反する立場の人々でも協力し合って、よりよい米国をつくって行く。これがトランプ連合である。

 ところで、トランプ氏のコロナ感染後、最初の世論調査で、再選可能性が急上昇している。ゾグビーの調査では10月初旬の支持率は、トランプ氏が47%、バイデン氏が49%。これは差が最小になりトランプ氏の支持率が4年前と比べ1ポイント増したことを意味する。

 7月8日の調査では、バイデン氏はトランプ氏を7ポイント、8月29日発表の世論調査では、バイデン氏は6ポイントのリードを持っていたので激戦になっているのが分かる。

 さらに10月22日に発表されたラスムッセン・レポートによると、トランプ氏の支持率は52%に上昇し10月14日に実施された同じ調査と比較して5ポイントの上昇。オバマ前大統領は、2012年10月22日の調査の際、支持率50%で再選された。また、保守系シンクタンクの民主主義研究所の世論調査でも10月初旬に、トランプ氏がバイデン氏の45%に対して46%と上回っている。
ホワイトハウスで共和党大統領候補指名の受諾演説をするトランプ米大統領と集まった支持者ら=2020年8月27日、ワシントン(ゲッティ=共同)
ホワイトハウスで共和党大統領候補指名の受諾演説をするトランプ米大統領と集まった支持者ら=2020年8月27日、ワシントン(ゲッティ=共同)
 他の世論調査ではバイデン氏が先行しているが、2016年に行われた英国のEU離脱の国民投票とトランプ氏勝利を正しく予測した民主主義研究所は、登録有権者全員ではなく「投票の可能性が高い」人々のみを対象にしている(ゾクビーやラスムッセン・リポートも同様と思われる)。

 そしていわゆる「隠れトランプ」についても調査しており、トランプ氏支持者の77%が友人や家族にさえ真意を明らかにしていないという。