2020年10月28日 11:49 公開

米大統領選挙まで1週間となった27日、ドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデン民主党候補は、それぞれの戦略に基づいて遊説を重ねた。

バイデン氏はこの日、伝統的に共和党の地盤となっている南部を訪問。ジョージア州では、トランプ氏の新型コロナウイルスへの対応を「降伏」と批判した。

一方、トランプ氏は勝敗を左右する激戦州を集中的に訪れた。ミシガン州では、もしバイデン氏が勝てば「経済的生き残り」が危機にさらされると警告した。

世論調査では、トランプ氏がバイデン氏にリードされている。

ただ、アリゾナ、フロリダ、ノースカロライナなどの激戦州では僅差の争いとなっており、これらの州の結果が大統領選の行方を決める可能性がある。

今回の選挙ではすでに、過去最多の6900万人以上が郵便や投票所で期日前投票を済ませている。新型ウイルスの流行が、急増の主な理由とみられている。

トランプ氏の動き

トランプ氏は27日、ネブラスカ、ミシガン、ウィスコンシンの3州で集会を開いた。いずれも前回大統領選で勝利した州で、ミシガン、ウィスコンシンは民主党から「奪い取った」州だった。

ミシガン州の州都ランシングでは、「この選挙はミシガンにとって、経済的な生き残りの問題だ」と訴えた。

また、支持の獲得に苦しんでいるとされる「郊外の女性」に向けて、「あなたたちの夫は仕事に戻りたがっている。そうでしょう? 我々はあなたたちの夫を仕事に戻す」と語った。

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トランプ氏はこの日、中西部に向けてホワイトハウスを出発する前に、改めて郵便投票を批判した。大量の郵便投票は開票に数週間かかる場合もあり、大統領選の夜に勝者が判明しないことも考えられる。

トランプ氏は、「11月3日に勝者が宣言されるのがとても適切であり、大変いいことだ。2週間も票の集計をするのは全く不適切だ」と記者団に述べた。

今月に入って新型ウイルス感染で入退院したばかりのトランプ氏は、選挙戦の最後の2日間で11の集会を予定している。

一方、メラニア・トランプ大統領夫人はこの日、選挙集会に初めて1人で姿を見せ、バイデン氏を「社会主義者」と攻撃した。

勝敗の鍵を握るペンシルヴェニア州でトランプ夫人は、「ジョー・バイデンの議員としての36年間と副大統領としての8年間をみて、彼がついにアメリカ国民のために何かできると思うか、国民は判断する」と演説。自分のほうが大統領としていい仕事ができるとする、バイデン氏の主張は疑わしいとした。

バイデン氏の動き

バイデン氏は27日、ジョージア州ウォームスプリングスを訪れ、「国民を分断するのではなく結合する大統領」や、「国を癒やす」存在になるとアピールした。

ジョージア州は1992年以降、大統領選で民主党が勝利していない。しかし今回は、バイデン氏とトランプ氏が接戦となっていることを示す世論調査の結果が出ている。

バイデン氏は、政党に関係なく全国民のための大統領になると強調しているが、トランプ氏のことは攻撃した。

「この国では歴史を通して、いかさま師や詐欺師、まやかしの大衆主義者が時々現れ、政治的利益のために人々の恐怖をあおり、下劣な欲望に訴え、古傷に触れる」

「そうした人たちは、国が大打撃を受け、最も弱っているときに現れる。何も解決はしない。常に自分たちの利益を考えている」


バイデン氏はまた、トランプ氏の新型ウイルスへの対応について、「肩をすくめた。ふんぞり返った。そして降伏した」と批判した。アメリカでは感染による死者は22万5000人を超えている。

バイデン氏は今週、アイオワ州への訪問を予定している。同州は4年前の大統領選でトランプ氏が10ポイント差で勝利しており、そうした州を訪れるのは、バイデン氏が民主党の弱かった地域まで支持拡大に乗り出すほどの自信をもっていることの表れとみられる。

一方、民主党のカマラ・ハリス副大統領候補は、アリゾナ、テキサス両州を訪れる。いずれも1994年以降、州全体の選挙では民主党が勝利していない。

バイデン氏はウィスコンシン、ミシガン、フロリダの各州も近日中に訪問する予定。前回大統領選で民主党候補ヒラリー・クリントン氏が共和党の強い州の切り崩しに力を入れ、民主党支持者の多かった州で敗れたことを意識した動きだ。

バラク・オバマ前大統領は27日、フロリダ州で開かれたバイデン氏の選挙集会に、本人に代わって姿を見せた。

同州オーランドのドライブイン集会でオバマ氏は、2016年のようなトランプ氏の追い上げを許さないため、民主党支持者らが「現状に満足したり、怠けたり」してはならないと警告した。

(英語記事 Biden hits new battleground, Trump blitzes Midwest