2020年10月29日 11:05 公開

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は28日の国民向けテレビ演説で、30日から少なくとも12月1日までの約1カ月間、2度目となる全国的なロックダウン措置を導入すると発表した。

マクロン大統領は、フランスが「加速するパンデミックで水没」しないよう、今「容赦なくブレーキをかけ」なければならないと述べた。

また、「このウイルスは最も悲観的な予測を上回るペースでまん延している」とし、国内の病院の集中治療室のベッドの半数がCOVID-19患者で埋まっていると説明。

同国は「感染の第1波よりも間違いなく深刻になるであろう第2波に打ちのめされる」危険があると述べた。

新たなロックダウン措置では、必要不可欠な仕事や治療のための外出のみ認められるという。

レストランやバーなどの不可欠ではない事業は閉鎖されるが、学校や工場は制限を受けない。

2週間ごとに感染状況の評価が行われる。マクロン氏は、「各家族がクリスマスに再開できるようになることを願っている」とした。

フランスのCOVID-19(新型ウイルスの感染症)による1日あたりの死者数は、4月以来の最高水準となっている。27日には新たに約3万3000人の感染が確認された。

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こうした中、隣国ドイツのアンゲラ・メルケル首相は28日、11月2日から1カ月間の緊急ロックダウンを敷くと発表した。フランスのロックダウンよりも規制範囲は部分的ではあるものの、レストランやジム、劇場などが閉鎖される。

欧州では各地で感染者数が急増している。イギリスでは28日、2万4701人の感染が確認され、310人が死亡した。

欧州の複数の国で夜間外出禁止令が敷かれている。フランスの約4600万人も対象になっている。

欧州最大級の経済大国であるフランスで新たな措置が導入されることを受け、28日のロンドン証券取引所の株価指数FTSEは前日の終値に比べ146.19ポイント(2.6%)安の5582.80で引けた。ドイツ株価指数(DAX)は4.2%、米株式相場は主要3指数が3.4%以上下げた。

2度目のロックダウン

マクロン氏は、3月の1回目のロックダウンの時と同様に、外出する場合には正当な理由を文書に記入する必要があると説明した。集会は禁止となる。

「今春と同様に、通勤あるいは治療、親族の世話、必需品の購入、自宅近くを散歩する場合のみ外出が認められる」

一方で、経済を「停止あるいは崩壊させてはいけない」とし、公共サービスや工場の運営は継続されると明らかにした。

3月から2カ月間続いた最初のロックダウンでは、介護施設への訪問は禁止されていたが、今回は許可されるという。


ドイツの新たな制限措置

ドイツのメルケル首相は、新型ウイルスの拡大に対処するために「今、行動」しなければならないとし、「大規模な国家的取り組み」を求めた。

同国の感染率は欧州の多くの地域より低いものの、ここ数週間で感染拡大のスピードが速まっている。

「我々の医療システムは今日もこの問題に対処できている。しかし感染拡大のスピードを考慮すると、今後数週間で医療システムの限界に達するだろう」と、メルケル氏は述べた。

メルケル首相と16州の首相が合意した部分的ロックダウンは11月2日に始まる。内容は次の通り。

  • 学校や幼稚園の運営は継続
  • 社会的接触は2世帯10人までに制限、観光は中止
  • バーは閉鎖、レストランは持ち帰りのみに制限
  • タトゥー店とマッサージ店は閉鎖
  • ロックダウンで大打撃を受ける中小企業は、2019年11月の収益最大75%分が穴埋めされる
  • メルケル首相と各州首相は11月11日にビデオ会議を開き、感染状況を再評価する予定

今回の制限措置について、メルケル首相は国家非常事態を避けるために必要だと説明した。

ドイツ政府はクリスマスに家族や友人らが面会できるようにすることを目指している。ただ、28日には1日あたりの新規感染者数が1万4964人と過去最多を記録し、新たに85人の死亡も確認されている。


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(英語記事 Macron declares second national lockdown in France