2020年10月30日 16:40 公開

新型コロナウイルスの感染拡大で世界各国の経済が落ち込む中、アメリカのハイテク大手4社の業績が好調だ。アマゾン、フェイスブック、アップル、グーグルは29日、それぞれ2020年第3四半期(7月~9月)決算を発表した。

4社には共通の傾向がみられる。それは、ハイテク企業の成長が停滞するような兆しがみえないということだ。

1.王者はアマゾン

商品を段ボール箱に詰めて配送するサービスを展開するアマゾンの増収増益は予期されていた。そして今や、新型ウイルスのパンデミックによる経済的打撃から抜け出した最大の勝者の1つであり続けている。

同社の第3四半期の売上高は約961億ドル(約10兆345億7000万円)と、前年同期比で37%増となった。純利益は前年同期比の約3倍の約63億ドル(約6578億2000万円)だった。

オンラインショッピングを利用する家庭が増え、北米のEコマース(電子商取引)市場が伸びたことが要因だが、アマゾンの広告事業やクラウド・コンピューティング事業でも大幅な増収増益となった。

もちろんコストが伴っていないわけではない。アマゾンによると、新型ウイルスの感染症COVID-19関連経費に25億ドル(約2610億250万円)を投じた。また、労働条件やそのほかの方針をめぐる抗議が起こるなど、同社の評判も打撃を受けている。

2.ソーシャルメディア、コロナ禍のユーザー数急増の勢いは弱まる

写真共有アプリ「インスタグラム」とメッセージアプリ「ワッツアップ」の親会社フェイスブックは、同社プラットフォームの9月の1日のアクティブユーザー数が実に25億人だったと発表した。前年同期比で15%増だったものの、新型ウイルスの拡大で自宅待機を強いられた人々がソーシャルメディアに殺到していた今年6月からはわずか3%の増加となった。

フェイスブックユーザー数は、収益性が最も高いアメリカとカナダの市場でも減少した。同社は投資家に対し、この傾向が今後も続くと予想しているとした。

ツイッターも同様に、7月~9月期の1日のアクティブユーザー数が1億8700万人と、前年同期から100万人の増加にとどまったと発表した。

3.ユーザー数減少も、広告主の減少にはつながらず

今年初めに各国で経済活動が停止し、多くの企業が広告費を削減した。これによりフェイスブックの売上高は低迷。グーグルとユーチューブの親会社アルファベットは2004年の上場以来初めて売上高が減収となった。しかしその後、広告収入が回復してきた。

グーグルの売上高は前年比14%増で、アナリスト予想をはるかに上回った。利益は前年比59%増の110億ドル(約1兆1467億600万円)超と、目覚しい伸びを見せた。同社株価は29日の時間外取引で6%以上値を上げた。

ツイッターの売上高も14%上昇した。売上高が22%跳ね上がったフェイスブックは、この勢いが加速すると予想しているとした。

4.iPhone12シリーズで増収に期待

アップルの売上高は1年前からわずかに増加して64億7000万ドル(約6740億8666万円)となった。ラップトップやiPadの売上が急増したためで、大方のアナリスト予想を容易に上回った。

ただし、29日の時間外取引でアップルの株価は下落した。iPhoneの売上高が20%以上減少したためだ。

アップルの大中華圏では特に打撃が顕著だった。アップルの売上の約20%を占める同地域の売上高は30%近く減少した。

しかしアップルは、最新機種iPhone12の発売前(発売日は23日)の買い控えが影響しただけだとし、今後への自信をのぞかせた。

「COVID-19の影響が続く一方で、アップルはかつてないほど潤沢な新製品導入期の最中にある。5G対応のiPhoneを筆頭に、すべての最新製品に対する顧客の反応は極めて好意的だ」と、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は述べた。

5.ハイテク大手は成功を喜んだが、その他の反応は?

通常どおり各社が話題にしたがるのは売上高と利益で、アメリカ内外で自分たちへの規制強化を求める議論には言及したがらない。

その中でフェイスブックだけは事前に準備していたコメントの中で、「変化する規制状況による(中略)逆風」について警告している。だが、企業が収益面で成功すればするほど、不満は高まるだけだと、PPフォーサイトの技術アナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は言う。

「独占禁止の問題を考慮すると、ハイテク大手の圧倒的な力は今後も人々の反感を買い続ける」ほか、「ハイテク大手に対する規制を求めるライバル企業の声は更に高まるだろう」と、ペスカトーレ氏は述べた。

(英語記事 Business booms for US tech giants