2020年10月31日 13:30 公開

アメリカで30日、1日当たりの新型コロナウイルスの新規感染報告が9万7000件に上ったことが明らかになった。3日の大統領選を目前に、これまでの最多記録を更新した。

米誌アトランティックなどが各州保健当局のデータを集計する企画「Covid Tracking Project」(COVID追跡計画)によると、30日には新たに9万7080人の感染が確認された。

この日の死者は933人。前29日には1000人を超えており、ロイター通信によると、1日当たりの死者数が1000人を超えたのは、10月で3度目だという。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間31日午前現在)によると、アメリカではこれまでに904万人超の感染が確認された。死者数は計22万9600人を超えている。

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アメリカでは現在、21州でアウトブレイクが発生しており、中には大統領選の激戦州も含まれている。

大統領選で注目されているウィスコンシン州のグリーンベイでは、複数の病院が共同声明を発表。ドナルド・トランプ大統領が30日に予定している選挙集会がさらに感染を広げる危険があると警告した。

「今ほど大規模な集会を避けるべき時はない。特にここウィスコンシン州グリーンベイは、アメリカで最も急速にCOVID-19が広がっている」

トランプ大統領は集会が始まる前、「検査規模を拡大するほど感染者数が増える。アメリカには最高の検査がある。死者はうんと減っている」とツイートした。

最近のトランプ氏の集会では、参加者は検温などのチェックを受け、マスクを渡されている。また、パンデミック対策として屋外で開催されている。しかし他者と距離を取る施策は取られておらず、マスクを着用しない支持者もいる。

民主党候補のジョー・バイデン前副大統領も選挙活動を続けているが、ドライブイン集会にして参加者には車内に留まってもらうなど、社会的距離の対策を取り入れている。

トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏は29日に米フォックス・ニュースに出演し、パンデミックは制御できているというトランプ氏の言葉を繰り返した。

「新規感染が増えているとやたら耳にするので、疾病対策センター(CDC)のデータを見てみた。どうして死者数の話が出ないんだと思って。その理由は、死者がほとんで出ていないからだ。新型ウイルスは制御できている。その仕組みも理解している」と、大統領の息子は述べた。

一方でCDCのデータによると、29日には新たに1060人がCOVID-19で亡くなった。アメリカではこれまでに23万人近くが亡くなっている。

アメリカの医療専門家からは、インフルエンザの流行時期とアウトブレイクが重なれば、新規感染と死者の数は今後も増え続けるという警告があいつでいる。

政府の新型ウイルス対策に大きく関わってきた米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士はCNBCの取材で、アメリカは「間違った方向に進んでいる」と話した。

「事態が変わらなければ、この方向で進み続ければ、感染者と入院患者と死者がもっと増えて、アメリカはひどく苦しむことになる」


<分析>ナオミ・グリムー、世界情勢担当編集委員

アメリカの新型ウイルス関係のデータは、世界に衝撃を与え続けている。感染者数の累計900万人を超え、1日当たりの新規感染者は7日間平均で7万5000人以上だ。全州のうち半分が、9月に新たな感染のピークを迎えた。

「第3波」についての話題も出始めているが、多くの公衆衛生の専門家が、それは不都合な真実を隠しているだけだと考えている。つまり、アメリカはそもそも第1波から抜け出せていないのだと。

欧州の感染傾向を見てみると、第1波と第2波の間には大きな谷間がある。一方でアメリカの感染グラフは、段差が3段あるような形だ。新型ウイルスはまず春先に、ニューヨークをはじめとする北東部を襲った。その後、初夏には全国各地で毎日2万人が新たに感染する事態となった。

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その後、南部のアリゾナ州、フロリダ州、テキサス州がロックダウンを解除すると、その各地でも感染拡大が始まった。1日の感染者が1万人程度という、ファウチ博士が望むような数値まで落ち込むことは一度もなかった。

9月初めには感染者が微減したものの、現在はまた急増傾向にある。アメリカ全土で感染が広がっており、特にノースダコタ州、サウスダコタ州、ウィスコンシン州、、ミネソタ州といった中西部が大きな被害を受けている。

(英語記事 US sees record-high daily Covid numbers