2020年11月04日 18:07 公開

アメリカで3日、大統領選と同時に行われた連邦議会選で、下院では野党・民主党が過半数を維持する見通しとなっている。上院では与党・共和党が優勢だが、ジョージア州では来年1月初めに決選投票になるため、その結果によって与野党のバランスが変わる可能性もある。

現在は与党・共和党が上院(定数100)で、野党・民主党が下院(定数435)でそれぞれ多数を占める。今回の選挙では任期2年の下院議員は全員、任期6年の上院議員は約3分の1の35議席が改選対象となった。

民主党は上下両院で過半数を握り、今後決まる大統領の政策を阻止、あるいは後押しする心積もりだった。

しかし実際には多くの共和党現職が議席を守った。また、下院でもいくつかの主要州で民主党から議席を奪っている。

開票作業は継続中で、最終的な結果が出るにはまだかかる見通し。

ジョージア2議席は1月まで持ち越し

ただし、上院の形勢は来年1月にも変わる可能性がある。与野党が2議席を争っているジョージア州では、両方の議席について両党の候補が議席獲得に必要な50%の得票を得ていないため、決選投票になる。

ジョージア州の上院2議席のうち、1議席は共和党現職デイヴィッド・パーデュー議員と民主党新人ジョン・オソフ氏、リバタリアン党新人のシェイン・ヘイゼル氏が争ったが、パーデュー氏が得票率50%に至らなかったため、2位のオソフ氏と1月5日に決選投票になる。

もう1つの議席については、民主党新人ラファエル・ワーノック氏が得票率32.8%、共和党現職ケリー・ロフラー氏が同26%だったため、こちらも1月に決選投票となる。ロフラー議員は前任者が健康上の理由で辞任したのを受けて、昨年12月に後任に指名された。

<関連記事>

下院は民主党が過半数維持へ

民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長(80、カリフォルニア州選出)は、下院での過半数を維持した民主党議員を称賛した。ペロシ氏は議長職を続投する可能性が高い。

ペロシ氏は医療制度への取り組みが評価されて勝利につながったと述べた。

下院では、2018年の中間選挙で史上最年少の女性議員の1人として当選したアレクサンドラ・オカシオ=コルテス議員や、初のムスリム女性議員となったイルハン・オマル氏も再選された。

またニューヨーク州では民主党から、リッチー・トーレス氏とマンデア・ジョーンズ氏が、黒人の同性愛者として初めて当選した。

一方でジョージア州では、極右の陰謀論「Qアノン」を広めていたマージョリー・テイラー・グリーン氏が共和党から初当選した。

ドナルド・トランプ大統領は先に、グリーン氏を「未来の共和党のスター」と称賛していた。

上院では多くの現職が議席を維持

東北部メイン州では、ベテラン現職のスーザン・コリンズ議員(共和党)が議席を維持した。

サウスカロライナ州でも、ドナルド・トランプ大統領を強力に支持する共和党重鎮のリンジー・グレアム議員(65)が議席を維持した。

保守的な住民が多い同州の上院議員選は当初、20年近く上院議員を務めてきたグレアム氏が優勢とみられていた。しかし、元ロビイストで州民主党委員長だった民主党新人ジェイミー・ハリソン氏(44)が3カ月間で5700万ドル(約60億円)もの選挙資金を集めるなど、追い上げをみせていた。

アラバマ州では、民主党現職のダグ・ジョーンズ上院議員(66)が議席を失い、トランプ氏の後ろ盾を得ている共和党の新人トミー・タバーヴィル氏が奪還した。タバーヴィル氏は複数の大学でアメフト監督を歴任した。

また、共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務(78、ケンタッキー選出)も勝利宣言をした。

一方コロラド州では、民主党候補のジョン・ヒッケンルーパー元コロラド州知事が、共和党現職のコーリー・ガードナー上院議員を破った。

アリゾナ州トゥーソンでは、元宇宙飛行士で民主党新人候補のマーク・ケリー氏(56)が、共和党候補マーサ・マクサリー氏(54)に勝利した。

ケリー氏は、ギャビー・ギフォーズ元下院議員(民主党)の夫として出馬前から高い知名度を得ていた。ギフォーズ氏は2011年に地元アリゾナの有権者との集会で乱射事件の被害者となり、頭部に重傷を負った。

さらにデラウェア州では、サラ・マクブライド氏(30)が初のトランスジェンダー女性として当選を果たした。

マクブライド氏はバラク・オバマ前大統領時代にホワイトハウスで実習生として働いていたほか、現在はLGBTQ(性的マイノリティー)の権利団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」の広報主任を務めている。

(英語記事 US Election Live Update / Republicans and Democrats battle for US Congress