2020年11月05日 13:26 公開

米オレゴン州は4日、アメリカで初めてコカインやヘロインなどハードドラッグ所持を非犯罪化した。今後は個人使用を目的にこれらの薬物を少量持っていても、100ドル(約1万円)の罰金か中毒治療センターでの健康診断が科せられるだけで、起訴されない。

同州はさらに、幻覚作用のあるいわゆる「マジックマッシュルーム」を治療目的で使用することを認めた。こちらもアメリカでは初。

一連の決定は住民投票で決まった。アメリカでは全国的に、薬物関連法の緩和が進んでいる。

このほか、アリゾナ、ニュージャージー、モンタナ、サウスダコタの各州で大麻が合法化された。

成人の娯楽目的での大麻使用はこれまでに11州とコロンビア特別区(ワシントンDC)で合法化されているが、連邦レベルでは禁止されている。

多量に所持すれば犯罪

オレゴン州ではこれまで、ハードドラッグの所持は6250ドルの罰金と最長1年の禁錮刑が科せられていた。

「110条例」と名付けられた今回の決定で少量の所持は非犯罪化されたものの、ハードドラッグの製造や流通に関わった場合は刑事罰を受ける。

また、多量のハードドラッグを持っていた場合は軽犯罪として、さらに多量で薬物取引に十分だった場合は重罪として扱われる。

条例ではこのほか、中毒治療や健康診断など、薬物問題を抱える人向けのサービスに対する補助金制度が制定された。

支持者と反対派

110条例は2021年2月1日から施行される。同条例はオレゴン州の看護師教会、家庭医協会、米内科医協会オレゴン支部などが支持している。

さらに、薬物の非犯罪化を推進する「ドラッグ・ポリシー・アライアンス」が、400万ドル以上を条例制定に向けたキャンペーンに費やした。この団体にはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)や投資家ジョージ・ソロス氏などが名を連ねている。

非犯罪化の活動家は、現在の薬物法は刑務所の過密を招いているほか、非白人コミュニティーに不平等に適用されていると主張している。

一方で、条例に反対する人々は、薬物中毒の治療を受けている人に対する司法の役割が損なわれると指摘している。また、未成年に対する処罰が不透明で、保護者に薬物所持の連絡が行くのかも分からないとしている。

国連によると、スイスやポルトガル、オランダが同様に少量のハードドラッグ所持を非犯罪化しており、薬物使用のダメージ軽減を目的とする「ハームリダクション・プログラム」への出資を行っているという。

(英語記事 Oregon voters back decriminalisation of hard drugs