2020年11月12日 12:52 公開

アメリカのジョー・バイデン次期大統領が、副大統領時代に自身の首席補佐官を務めたロン・クレイン氏を大統領首席補佐官に起用すると、バイデン氏の政権移行チームが11日に明らかにした。

バイデン氏は11日夜、自身の政権移行チームを通じて声明を発表し、クレイン氏に敬意を表した。

「彼の豊富で多様な経験と、政治的スペクトル全体の人々と仕事をする能力は、我々がこの危機的瞬間に立ち向かい、我々の国を再び一つにしようとする中で、 まさに私がホワイトハウスの首席補佐官に必要としているものだ」

この声明の中でクレイン氏は、次期大統領の自分に対する信頼を「謙虚に」受け止めていると述べた。

「変化に向けた大胆な政策目標に取り組み、この国の分断を癒やため、(バイデン氏と)次期副大統領はホワイトハウスに有能で多様性にあふれたチームを作ろうとしている。私はそのお手伝いをするのが楽しみだ」と、クレイン氏は述べた。

ロン・クレイン氏とは

クレイン氏は1989年から1992年まで、当時上院司法委員会の委員長だったバイデン氏に指名され、同委員会の首席法務顧問を務めた。

バイデン氏が1988年と2008年に大統領選に出馬した際には、顧問やスピーチライターを務めた。

その後、バイデン氏が副大統領に就任すると、2009年から2011年まで副大統領首席補佐官として仕えた。

ただし、前回の2016年大統領選では、バイデン氏がまだ出馬を迷っている段階で、ヒラリー・クリントン氏を表立って支持した。「バイデン陣営にはこれで完全に見限られたが、チームHRCの一員になってうれしい」と、クリントン氏のイニシャルを使い、当時のクリントン陣営幹部にメールを送っていた。

クレイン氏はその後、バイデン氏との関係を修復したという。

1992年と1996年の大統領選ではビル・クリントン氏の選挙戦に参加。2004年の大統領選でも、敗退したジョン・ケリー氏のアドバイザーを務めた。

バラク・オバマ政権下ではホワイトハウスのエボラ熱対策責任者を、ビル・クリントン政権下ではアル・ゴア副大統領(当時)の首席補佐官を歴任した。

ジョージ・W・ブッシュ氏とゴア氏がフロリダ州の再集計をめぐり争った2000年大統領選を描いた、2008年公開の映画「リカウント」では、米俳優ケヴィン・スペイシー氏がクレイン氏を演じた。

2000年の敗北と再集計についてクレイン氏は、「もう忘れた方がいいとよく言われる。でも忘れていないし、決して忘れないと思う」とツイートしている。

今回の大統領選では、ドナルド・トランプ大統領がバイデン氏を攻撃する際に、クレイン氏について繰り返し言及していた。

トランプ氏は2014~2015年の国内でのH1N1型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の大流行への対処をめぐるクレイン氏の発言を、繰り返し取り上げた。この感染流行で約1万2500人のアメリカ人が死亡したが、新型コロナウイルスよりも致死率は低かった。

クレイン氏は昨年、「当時の自分たちは何もかも間違った。その間、6000万人のアメリカ人がH1N1に感染した。アメリカ史上最大規模の死者が出なかったのは、本当に単なる偶然だ」と述べていた。

トランプ氏はこの発言をしばしば取り上げ、バイデン氏のパンデミック対応能力を否定しようとしていた。

(英語記事 Biden names top aide as White House chief of staff