2020年11月16日 13:33 公開

新型コロナウイルスのワクチンの効果は来年夏ごろに劇的に現れ、来年の冬までには日常生活が戻ると、米ファイザーと共同でワクチンを開発している独ビオンテック(BioNtech)の共同創業者が見通しを示した。

ウグル・サヒン教授は、ワクチンによって新型ウイルスの感染拡大が半分に抑えられ、「感染報告が劇的に減少する」だろうと述べた。

ファイザーとビオンテックは先に、開発中のワクチンの臨床試験で被験者の9割以上に効果があったと発表。この治験には約4万3000人が参加した。

BBCの報道番組アンドリュー・マー・ショーに出演したサヒン教授は、このワクチンが症状を抑えるだけでなく、人から人への感染を減らす効果があることがさらなる分析で分かると期待していると話した。

「これほど効果の高いワクチンであれば、90%とまでは行かなくても50%くらいは、人から人への感染も防げると自信を持っている。それでもパンデミックの拡大を劇的に減らすことができるだろう」

このワクチンは6カ国で治験が行われており、3週間空けて2度接種が必要とされている。日本政府は7月、2021年上半期に1億2000万回分を納入することで両社と合意している。

イギリスでは、介護施設の居住者や職員が優先的にワクチンを受け、その後、医療従事者と80歳以上の高齢者が対象となる予定。その後も、年齢ごとに接種開始時期が決められるという。

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サヒン教授によると、ワクチン開発がこのまま何事もなく進めば、「年末から年始にかけて」提供を開始できるという。

ファイザーとビオンテックは、来年4月までに3億回分を供給する目標を掲げているが、「これは潮目を変える第一歩に過ぎない」としている。

ワクチンによる影響が大きく現れるのはさらに後で、「感染率が低くなる夏が助けになるだろう。来年の秋冬になるまでに接種率を上げておくことが非常に重要だ」と述べた。

その上で、各国のワクチン接種プログラムが来年の秋までに終わっていることが重要だと強調した。

また、年齢による効果の違いについては、今後3週間でさらに詳細が分かるだろうと話した。

一方で、2回の接種後にどれほど免疫が継続するのかはまだ分かっていないと述べた。ただし、1年後にワクチンによる免疫が著しく落ちていても、再接種は「非常に複雑にはならない」としている。

さらに臨床試験の被験者に見られた「主な副作用」として、注射した場所に数日間、軽度の痛みが生じると話した。また、数日間の発熱が見られたケースもあるという。

「それ以外の深刻な、臨床試験を停止・中断せざるを得ないような副作用は見られなかった」とサヒン教授は述べた。

現在、世界ではこのワクチンを含む11種の候補が、臨床試験の最終段階に入っている。

新型ウイルスの変異

こうした中、新型ウイルスの変異種がワクチンの効果を弱めるのではないかという懸念が広がっている。

デンマークでは先に、新型ウイルスの変異種がミンク農場で確認され、当局によると12人が感染したという。

イギリス政府の科学顧問を務めるウェンディ・バークリー・ウイルス学教授は、現在開発中のワクチンは「進化し続けるウイルスにはそれほど効果を発揮しない」可能性があると指摘している。

バークリー教授によると、ワクチンが全く効かなくなるわけではないが、変異種への順応性が高く即効性のあるワクチンほど良いという。

ワクチン反対論に懸念も

イギリスでは、ワクチン反対論に対する懸念も高まっている。

最大野党・労働党は先に、政府がインターネット上の「危険なワクチン反対論の抑制」を怠っていると批判。緊急法で対応すべきだと訴えている。

この法案では、ワクチンに対する偽情報を削除しなかったソーシャルメディア各社に罰金と刑事罰を科すとしている。

労働党のジョナサン・アッシュワース影の保健相は、ワクチン反対論は「人々の恐怖や、政府や機関に対する不審をあおり、害悪を拡散している」と述べた。

これに対しイギリス政府は、ワクチン反対論の問題を「非常に深刻」にとらえており、フェイスブックやツイッター、グーグルなどとこうしたコンテンツへの対処を「大規模に行っている」と述べた。

大手SNS各社は、事実に反していたり誤解を与えるような偽の情報には警告を表示している。また、利用規約に反する投稿は削除している。


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