両角正芳(立科町長)


 立科町の魅力は言うまでもなく、この豊かな自然です。そして首都圏から気軽に行ける絶妙な距離感でしょうか、片道2時間弱で行き来できますからね。避暑地といえば、軽井沢というイメージが強いかと思いますが、立科町は軽井沢以上に湿度が低く夏のさわやかさでは負けません。

 また、特産品の「立科りんご」は糖度が高く、おいしいとかなりの評価をいただいています。里地域でも標高が700メートルほどありますから、昼夜の寒暖差が高品質なリンゴの育成に適しているんです。「蓼科牛」もありますし、立科町のブランド産品は非常に高品質で、自然環境と農畜産物は私たちの強みですね。

 町長就任前には町議を務めていましたが、特産品の首都圏販売に関するプロジェクトに取り組んでいた際に大変評価していただきました。ただ、そこで立科町の弱みも同時に認識しましたね。「立科」はあまり知られていなくて、「蓼科」の方が有名なんです。厳密に言うと「蓼科高原」はお隣の茅野市なんですよ。立科町は「白樺高原」ですからね。

 いずれにしても立科町周辺もすばらしい場所なので、多くの人が観光などで来てもらえればいいのですが、やはり「立科」をもっと知ってもらえるように努力しなければならないと実感しています。

 発信すべき魅力はたくさんありますが、立科町の現状は非常に厳しいものがあります。近年は毎年平均すると90人ぐらい人口が減っています。もちろん、少子高齢化は立科町だけの問題ではありませんが、全国の市町村の中でも厳しさは上位でしょうね。1995年に8700人超だった人口は、すでに7千人を割る事態です。

 地域が活力を失えば自ずと若者は地元を離れていきます。そしてさびれてしまえばUターンする人もいなくなり悪循環です。やはりそこをなんとかしたいという思いは強いですから、主要政策として取り組んでいくつもりです。

 そこで、先ほど言いましたが、立科町の強みは豊な自然環境なわけですから、それを守る意味でも、議会で二酸化炭素(CO2)排出をなくすために「2050年ゼロ宣言」をしました。気候変動で強みの自然環境が失われれば、それこそ死活問題ですから。
インタビューに答える長野県立科町の両角正芳町長=2020年10月、同町役場(iRONNA編集部、西隅秀人撮影)
インタビューに答える長野県立科町の両角正芳町長=2020年10月、同町役場(iRONNA編集部、西隅秀人撮影)
 これは立科町だけでやっても効果があるわけではありません。よく周辺自治体との合併議論が出てきますが、そうではなく、環境問題も含めて、広域連携が今まで以上に進めていけば、合併が必要とはなりません。立科町の魅力を向上させつつ、医療や教育、産業などと共に広域的視野で取り組んでいくべきでしょう。