2020年11月19日 12:08 公開

中国の科興控股生物技術(シノヴァク・バイオテック)が開発中の新型コロナウイルスのワクチンが、中期臨床試験で好結果を示したことが明らかになった。

中国ではいくつかのワクチンの開発が進んでおり、すでに治験段階にあるものもある。

シノヴァクのワクチンは、約700人に投与され、迅速な免疫反応が見られたという。

欧米でも大規模な臨床試験で、ワクチンの効果が示されている。これまでにアメリカとドイツ、ロシアで開発された3つのワクチンが臨床試験の第3相に進み、90%以上の有効性を示した。

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中国では現在、4つのワクチン候補が治験の第3相および最終段階に入っており、シノヴァクのワクチンもそのひとつ。

しかし、医学誌「ランセット」に掲載されたのは、同ワクチンの第1相と第2相の結果だけだ。第1相には144人、第2相には600人が参加している。

報告によると、シノヴァクのワクチン「コロナヴァク」は被験者に迅速な免疫反応を引き起こしている。ただしこの治験は4月と5月に行われたもので、有効性の値も示されていない。

報告では、このワクチンは「緊急使用に向いている」とされている。

一方、被験者がより多い第3相の結果はまだ発表されていない。

中国では現在、新型ウイルスの流行がほとんど抑制されているため、ワクチン候補4種の大規模な治験はパキスタンやサウジアラビア、ロシア、インドネシア、ブラジルで行われている。

当局によると、11月初めに約6万人がシノヴァクのワクチンを投与された。

ブラジルでは9日、被験者の1人に「重篤な有害事象」が見られたとして、治験を停止した。

ボランティアの被験者が死亡したと報じられたが、ワクチンとは関係のない死因だったため、治験は再開されている。

中国の4つのワクチンのうち、少なくとも3種は国内の緊急使用プログラムによってエッセンシャル・ワーカー(社会機能に不可欠な職種の労働者)に提供されている。また、1種は6月に中国軍への使用が許可された。

他のワクチンと比べると?

ここ数日で、世界各地で有望なワクチンのニュースが次々と発表されている。

米ファイザーと独ビオンテック(BioNtech)のワクチンは、4万3000人以上が参加した臨床試験第3相で90%以上の有効性を示した。

米モデルナは、やはり大規模な第3相で95%以上の有効性が示されたと発表した。どちらも結果は暫定的なもので、使用認可はまだ下りていない。

ロシアでは、1万6000人が受けたワクチンの治験で92%の効果が見られたと報じられた。このワクチンは8月に、国内での緊急使用が認められている。

この3つのワクチンについては、シノヴァクのワクチンよりも進んだ治験段階のデータが公表されている。ただし、シノヴァクのワクチンも同じく第3相に進んでおり、データが公表されていないことは、他の研究より遅れていることを必ずしも意味しない。

最前線で働く医療従事者にこのワクチンの緊急使用が認められていることから、中国当局は一定の信頼を置いているとみられている。

どのワクチンが最初に大規模な接種プログラムを始められるかはまだ分からない。次の課題は規制当局の認可や大量生産だが、専門家らは、来年まで広範囲の接種プログラムは望めないだろうとみている。

(英語記事 Chinese vaccine 'successful in mid-stage trials'