2020年11月30日 12:33 公開

エチオピア北部ティグレ州で、地元政党の軍事部門と連邦政府軍との武力衝突が発生している。この戦闘は、エチオピアと国境を接する国々の安定も脅かしている。

エチオピアのアビー・アハメド首相は28日、政府軍がティグレ州の州都メケレを制圧したと宣言。ティグレ州政府を担う政党「ティグレ人民解放戦線」(TPLF)との3週間におよぶ戦闘の「最終局面」だと述べた。

「ティグレ地域での軍事作戦を完了し、終了したと発表できることをうれしく思う」と、アハメド首相は述べた。

一方でTPLFは、ロイター通信に宛てた声明で戦い続けると誓った。

通信が遮断されていることから、ティグレ州の状況の詳細はほとんど入ってきていない。

赤十字国際委員会(ICRC)によると、戦闘で負傷した人の治療を行っているメケレにある主要病院では、「危険なほど物資が不足」しているという。

ただ、ICRCは死傷者の数や、犠牲者が民間人なのか軍人なのかは明かしていない。

アビー首相は「市民に十分配慮して」軍事作戦を行ったとした。首相はTPLFを「犯罪者集団」と呼んでいる。

国連はエチオピア軍がメケレを攻撃したのが事実であれば、戦争犯罪にあたる可能性があると警告。人道支援を行う人々が現地へアクセスできないことに懸念を表明した。

複数の難民の話によると、26日にスーダンとの国境にエチオピア軍の兵士が配置され、暴力行為から逃れるためエチオピアを出ようとする人々を制止した。28日に公表された最新情報の中で、国連は11月上旬に今回の戦闘が始まってから4万人以上のエチオピア人が国境を越えたとした。

国からの任命を受けたエチオピア人権委員会は、ティグレ州の若者グループが同州マイカドラで非ティグレ人600人以上が殺害されたとする虐殺事件に関与していると非難している。TPLFはこれを否定している。

TPLFを率いるティグレ州のデブレチオン・ゲブレミカエル州大統領は政府軍について、「彼らの残忍さは、これらの侵略者と最後まで戦うと我々に決意させるだけだ」と述べた。ゲブレミカエル氏の所在は不明だ。

複数アナリストは、TPLFが連邦政府に対するゲリラ戦を開始するために、山岳地帯のティグレ州に戻る準備をしている可能性があるとしている。

戦闘が長期化すれば、「アフリカの角」と呼ばれる東部地域全体を揺るがし、何百万人もの人々に悲惨な結果をもたらしかねない。

東アフリカ各地で取材するBBCの特派員たちが、エチオピアとその近隣諸国への影響について説明する。