2020年12月01日 10:09 公開

ミシェル・ロバーツ健康担当編集長、BBCニュースオンライン

米モデルナは11月30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、アメリカとヨーロッパで緊急使用許可を同日中に申請すると発表した。使用が広く推奨されることを目指す。

規制当局は、モデルナのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンについて臨床試験(治験)のデータを精査し、安全性と効果の面で製品化を推奨できるか判断する。

同ワクチンは治験で、新型ウイルス感染症COVID-19の発症を予防する効果は94%以上あるとの結果が出ている。

米ファイザーも同様のワクチンを開発しており、すでにアメリカで緊急使用許可を申請している

イギリスの規制当局も、ファイザーのワクチンと、英オックスフォード大学と製薬大手アストラゼネカが共同開発している別種類のワクチンについて、緊急使用許可に向けて治験データを分析中だ。

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モデルナは、イギリスでも近いうち許可が得られる見込みだとしている。高齢者など高リスク集団を含むボランティア3万人が参加した治験で、効果があるとするデータを得ている。

この治験では、1万5000人に実際のワクチンを、残りに偽薬を投与した。深刻な副反応は報告されなかった。

偽薬を投与した人のうち185人がCOVID-19を発症。重症化した人もいた。

これに対し、ワクチンを投与した人で発症したのは11人で、重症者はゼロだった。

治験の完全なデータはまだ公表されていないが、査読を要する科学誌に掲載される予定だ。


開発の先頭グループにいる3種のワクチンは、それぞれに長所と短所がある。

オックスフォード大とアストラゼネカのワクチンは1回の接種分が約3ポンド(約420円)で、ファイザーの約15ポンド(約2100円)やモデルナの約25ポンド(約3500円)と比べて安価だ。

加えてこれは、極めて低温での保存を必要としないことから、供給もしやすいとみられている。

だが、治験での効果は62~90%で、ファイザーやモデルナのワクチンよりやや低い。

イギリスはすでに、これら3種のワクチンすべてを事前に注文している。モデルナは700万回分、ファイザーと独ビオンテックのは4000万回分、オックスフォード大・アストラゼネカのは1億回分だ。


英レディング大学のアレクサンダー・エドワーズ准教授(バイオ医学技術)は、「本当に素晴らしいニュースだ。治験データが豊富なほど、ワクチンがCOVID-19の犠牲者の減少に有効だと自信を深めることにつながる」と評価。

「感染者の報告数が増える中、人々を守るために供給される製品に驚異的な予防効果があるとの信頼が高まっている」

一方、英政府で新たにワクチン供給を担当することになったナディム・ザハウィ氏は、ワクチン接種は義務化しないが、社会として人々に接種を期待するムードが高まるとの見方を示した。

ザハウィ氏はBBCの番組ワールド・アット・ワンで、「これが国全体を元に戻す方法であり、ワクチン接種は家族と地域、国にとってよりことであるという、非常に強いメッセージを受け取ることになると思う」と述べ、こう続けた。

「最終的には、皆が決断する必要がある」

(英語記事 Covid vaccine: Moderna seeks US and EU approval