2020年12月02日 12:41 公開

米大統領選の結果を不服とするドナルド・トランプ大統領や支持者が、ジョージア州などで不正選挙があったと主張している問題で、ジョージア州の選管幹部は1日の記者会見で、トランプ氏の支持者が州幹部や投票システム会社のスタッフを脅していると強調した。

ジョージア州の投票システム導入を担当したゲイブリエル・スターリング氏は怒りをあらわに、「何もかもやりすぎだ! 何もかも!」、「もうこれっきりにしなくてはならない」と語気を強めた。また、「このままでは人が死ぬ」と声を震わせながら訴えた。

ジョージア州は現在、トランプ陣営の要請を受けて2度目の再集計を行っている。同州では野党・民主党のジョー・バイデン次期大統領が僅差で勝利した見通し。1回目の再集計はは州法にもとづいて実施されたもので、あらためてバイデン氏の勝利という結果が出た。

スターリング氏は、ジョージア州の開票結果を認定したブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官と家族、さらには投票システムを提供した会社の契約社員が、トランプ氏の支持者たちから殺害予告など脅迫を受けていることについて、強い調子で非難。

スターリング氏によると、ラッフェンスパーガー氏の自宅前には抗議の車列が並び、家族も嫌がらせや脅迫を受けている。投票機メーカー、ドミニオン・ヴォーティング・システムズの契約社員で同州グウィネット郡在住の20代男性は、根拠のない陰謀論に巻き込まれ、殺害予告や、絞首刑用の縄などを送りつけられているという。

この男性は、まとまった数の投票用紙について報告書を読むため、報告書を郡のコンピューターに移したことが国家反逆罪だと脅されている。

また、選挙に大規模な不正はなかったという国土安全保障省報告を発表して解任されたサイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)のクリス・クレブス前長官について、トランプ陣営の弁護士が公開処刑して銃殺すべきと公言したことにも触れ、自分の支持者のこうした行動を非難しないトランプ氏や、共和党の上院議員たちも批判した。

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スターリング氏は、自分の自宅も警察の警備を必要としており、ラッフェンスパーガー州務長官の妻には「携帯電話を通じて性的な脅しが届いている」と述べた。

その上でスターリング氏は、「大統領閣下、あなたはこうした行動や言葉遣いを非難していません。上院議員の皆さん。皆さんはこうした行動や言葉遣いを非難していません」と述べた。

「皆さんに立ち上がってもらう必要があります。指導力を示してください!」とスターリング氏は呼びかけた。

「殺害予告、心身への脅迫、威圧……。やりすぎだ。間違っている。自分たちには正義があり、これは正しいことだなどと主張できる状況ではもはやなくなっている」

こう述べたスターリング氏はさらにトランプ大統領に対して、「法廷で争う権利はあっても、暴力を扇動することはできない」として、「暴力の扇動をやめるよう、あなたがはっきり発言しなくてはならない。そうしなければ、そのうち誰かがけがをする、誰かが撃たれ、誰かが殺されてしまう」と訴えた。

「これは間違っています。度量の大きさを示して、割って入って、支持者に言ってください。暴力を使うな、威圧をするなと。間違ったことは何もかもやめろ、アメリカ人らしくないことだと言ってください」と、スターリング氏は大統領に呼びかけた。

(英語記事 Georgia official: Trump inciting election violence