
2020年12月09日 14:54 公開
イギリスで8日、米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。接種2人目の男性の名前が「ウィリアム・シェイクスピア」だったため、ソーシャルメディアは劇作家シェイクスピアの作品名やせりふをもじる、文学的(?)なだじゃれ合戦で盛り上がった。
英コヴェントリーの病院で8日、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。第1号になったのは、マーガレット・キーナンさん(90)。2人目が、ウォリックシャー在住のウィリアム・シェイクスピアさん(81)だった。ウォリックシャーには、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの出身地ストラットフォード・アポン・エイヴォンがある。
シェイクスピアさんの名前で盛り上るのは、「空騒ぎ」だろうか。いや、そうでも構わない。「終わり良ければ全て良し」なのだから。
16世紀後半から17世紀初頭にかけて活躍した劇作家シェイクスピアの「マクベス」で、主人公は「目の前に見えるのは短剣か」と言う。では、21世紀のシェイクスピアさんが「目の前に見えるのは針か」と言ったかというとそんなことはなく、予防接種を受けられて「うれしかった」とコメントしている。病院スタッフの対応が「素晴らしかった」とも述べている。
イギリスでは今後数週間で、約80万回分が使用される予定。ワクチンは2度接種する必要があるが、イギリス政府はこのワクチンを4000万回分確保しており、イギリスに住む成人に十分行き渡る計算になる。政府関係者は、年末までに400万回分がイギリスに到着するとしているが、ワクチンの大半は来年以降に使用可能となるという。
ワクチンは2回にわたり、21日間の間をあけて投与される。最初の注射で免疫反応が始まるが、2度目の注射の7日後に、十分な免疫が獲得できるという。
そのため、「ロミオとジュリエット」の冒頭に出てくる「同じ格式の二つの家」というせりふをもじって、「同じ量の二つの注射」ということも言えるし、ワクチンによる「じゃじゃ馬ならし」ならぬ「感染症ならし」だと書く人も大勢いた。
「これぞ『冬物語』」と、BBC司会者のダン・ウォーカー氏はツイートした。
https://twitter.com/mrdanwalker/status/1336211640954531842
「ヴェローナの二紳士」をもじって、「コロナの2人目の紳士」はどうだろうとツイートした人もいる。
https://twitter.com/spinnerjohn/status/1336227568945664004
「ワクチン接種を受けた2人目がウィリアム・シェイクスピアという名前だったからってみんな大騒ぎしてるけど、『空騒ぎ』だと私は思うな」と書いた人もいた。
https://twitter.com/Pandamoanimum/status/1336241047203172353
「終わり良ければ全て良し」という感想も、もちろんあった。
https://twitter.com/Otto_English/status/1336217590885216257
「ロミオとジュリエット」に出てくる有名なせりふ、「両家とも疫病にかかってしまえ」をもじり、「両家とも疫病かからなくて済む」と書いた人もいる。
https://twitter.com/callummay/status/1336212264089755649
(英語記事 Shakespeare gets Covid vaccine: All's well that ends well)