
2020年12月11日 14:16 公開
フランスのジャン・カステックス首相は10日、国内の新型コロナウイルスの感染状況が期待していたほど改善していないとし、15日に予定していた文化施設の規制緩和を延期すると発表した。夜間外出禁止令も導入するという。
15日に再開される予定だった博物館や映画館、劇場、スポーツ施設は、来年1月7日まで閉鎖が続くこととなる。
終日の外出禁止令は、予定通り15日に解除される。しかし、夜8時から翌朝6時までの夜間外出禁止令が代わりに出されることとなる。
大規模な集会を防ぐため、夜間外出禁止令は大みそかにも適用される。
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フランスは感染拡大を食い止めるため、10月30日から2度目の全国的ロックダウンを敷いてきた。
仏政府は規制緩和の条件として、1日あたりの新規感染者数が5000人程度になることを挙げていた。しかし今も1万人を超える状況が続いており、10日には新たに1万3750人の感染が確認された。
「我々は依然として、この感染第2波の終わりを迎えていない。そして、12月15日に向けて設定した目標にも到達しないだろう」と、カステックス首相は記者会見で述べた。
「我々は警戒を緩めることはできない。集中力を保ち、高い警戒感を持って今後数週間を乗り切る方法を見つけなければならない」
政府の決定を受け、俳優兼映画監督のフィリップ・ルルーシュ氏が仏BFMテレビで、「さらなる配慮がなされないことに、我々は疲弊している。またしても文化産業が置き去りにされている」と述べるなど、業界から批判が上がった。
カステックス首相は文化施設の再開延期と外出禁止令の導入のほか、次の内容を発表した。
- 国民は再び国内の移動が認められる
- 外出禁止令の開始時刻を当初予定していた午後9時から1時間前倒しし、午後8時からとする。クリスマス・イブは除外する
- クリスマスは家族で祝えるが、大人は6人以下に制限される
- 当初の発表を変更し、夜間外出禁止令は12月31日には解除しない。新型ウイルスの感染「再拡大につながる全ての要素」が含まれるのが理由
バーやレストランの閉鎖は来年1月20日まで続く。一部の必要不可欠ではない店舗は11月28日にすでに営業が再開されている。
フランスでは新型ウイルスのパンデミック開始以来、230万人以上が感染し、5万7000人近くが死亡している。
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