2020年12月12日 12:37 公開

英製薬大手アストラゼネカのロシア法人は11日、英オックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスワクチンと、ロシア製ワクチン「スプートニクV」を組み合わせた臨床試験を行うと発表した。2種類を組み合わせることで、新型ウイルスの感染症COVID-19への予防効果が向上するか調べるという。

2種類のワクチンを組み合わせれば、免疫反応が高まる可能性がある。

臨床試験はロシアで行われ、18歳以上の被験者が参加する予定。被験者の人数は明らかになっていない。

オックスフォード大学は最近、開発中のワクチンが安全で、予防効果があることが示されたとする臨床試験結果を公表した。

研究者たちは英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)からの承認を待つ間、高齢者へのワクチンの有効性についてデータを集めている。

アストラゼネカはアデノウイルス(一般的な風邪のウイルス)を使った異なるワクチンを組み合わせることで、より良い免疫反応の獲得につながり、より大きな予防効果が得られるのかを調べるためだと説明した。

オックスフォード大学とアストラゼネカによるイギリス製ワクチンと、ロシア・モスクワのガマレヤ研究所が開発したワクチンは、それぞれSars-CoV-2(新型ウイルスの正式名称)スパイクたんぱく質の遺伝物質を含んでおり、類似したつくりになっている。

これらのワクチンは、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発し、イギリス、カナダ、バーレーン、サウジアラビアで承認されたワクチンとは異なる働きをする。アメリカの医療の専門家たちも、ファイザー製ワクチンの承認を勧めている、米食品・医薬品局(FDA)は11日夜、ファイザー製のワクチンを承認した。

「スプートニクV」の後期臨床試験では、期待が持てる結果が示された。

ロシアは8月、当時まだ数十人にしか臨床試験を行っていなかったにも関わらず、世界で初めて新型ウイルスワクチンの緊急使用を許可した。現在では大規模な予防接種計画の一環として国民にワクチンが提供されている。

アストラゼネカは、「業界の提携各社、各国政府、世界中の研究機関と連携している。アデノウイルスをもとにした2種類のワクチンを、うまく組み合わせられるのか調べるため、ロシアのガマレヤ研究所との研究を間もなく開始する」と述べた。


<解説>1種より2種のワクチンを組み合わせる方がいい?――ジェイムズ・ギャラガー、保健・科学担当編集委員

異なるワクチンを組み合わせることで、新型ウイルスに対する免疫が強まる、あるいは長く持続できるようになると期待されている。

オックスフォード大学とアストラゼネカが開発するワクチンと、ロシアのワクチン「スプートニクV」にとって今回の臨床試験が有益かもしれないと考えられているのは、そのためだ。

どちらのワクチンも、新型ウイルスの遺伝子コードの一部を人の体内に投与するため、不活化したウイルスを使用している。

ただ、1度目のワクチン接種で免疫がつき、2度目の接種で効果が弱まってしまう恐れがある。

オックスフォード大のワクチンでは、1度目に規定の半量のワクチンを、2度目に規定量を投与された被験者グループが最も高い有効性を示した。

ほかのワクチンを組み合わせることも計画されており、異なる観点からの取り組みがより良い結果を生むことが期待されている。


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(英語記事 Trials to combine Oxford and Sputnik vaccines