2020年12月17日 17:26 公開

フランスで2015年1月に風刺週刊紙「シャルリ・エブド」の編集部などが襲撃され17人が死亡した事件の裁判で、パリの裁判所は16日、事件に関わったとされた武装イスラム教主義者の被告14人に有罪判決を言い渡した。

事件では、シャルリ・エブドとユダヤ系食品店で多数が射殺されたほか、女性警官も銃撃を受け死亡した。

この日の公判には被告11人が出廷。3人は逃亡中のため不在だった。言い渡された刑は、禁錮4年~終身刑だった。

被告14人は全員、犯罪組織に所属した罪から、襲撃事件で直接の共犯者になった罪まで、さまざまな罪状で有罪とされた。テロリズム罪に問われた11人のうち6人は同罪に当たらないとされ、より軽い罪で有罪となった。

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襲撃事件の実行犯3人は射殺された。共犯者とされた被告らの裁判は9月に始まり、武器の入手や物資供給を支援した罪に問われた。被告らは全員、起訴内容を否定した。

裁判は新型コロナウイルス感染症COVID-19の影響でたびたび延期された。その間、フランスでは武装イスラム教主義者による襲撃事件が続けて発生し、預言者ムハンマドの風刺画をめぐる議論が再燃した。

3人が不在のまま

この日の公判で不在だった1人は、食品店を襲撃し射殺されたアメディ・クリバリ容疑者のパートナーで、逃亡中のアヤト・ブメディエンヌ被告。事件発生の前週にシリアに渡った同被告は、テロリズムのための資金を調達した罪と、テロリスト犯罪組織に所属した罪で、禁錮30年の刑となった。


クリバリ容疑者の親しい友人で、同容疑者の犯行を支援した罪や宗教的指導者として行動した罪に問われたモハメド・ベルシヌ被告は、不在のまま終身刑が宣告された。

同被告の弟のメディ・ベルシヌ被告も不在の状態で公判が進められたが、別の裁判ですでに判決を受けているとして、この日は判決が言い渡されなかった。同被告兄弟はともに死亡したとみられている。

主要被告で、出廷したアリ・リザ・ポラト被告(35)は、テロリストによる犯罪の共犯者となった罪で禁錮30年の刑が言い渡された。

BBCのヒュー・ショフィールド・パリ特派員は、長期にわたった裁判の結果、あまりに多くの謎が残ったままになったと解説。今回の被告らは全員、食料品店の襲撃に絡んで訴追されており、シャルリ・エブド襲撃の実行犯についてや、彼らがどうやって武器を入手したか、アルカイダやイスラム国の指示はあったのかといったことは、わからずじまいになったとした。

事件とその後

2015年1月7日に起きた襲撃事件では、シャルリ・エブドの社屋内で、サイード・クアチ、チェリフ・クアチ兄弟が銃を乱射し、有名漫画家ら12人が死亡した。警官1人も社屋の外で殺害された。兄弟は2日後、警察との銃撃戦で射殺された。


同8日には、兄弟の知り合いとされるクリバリ容疑者が、パリ郊外モンルージュで女性警官を射殺した。

翌9日にユダヤ系食料品店で数人を人質に立てこもり、4人を殺害。その後、警官隊に射殺された。

シャルリ・エブドは今年9月、裁判の開始に合わせ、預言者ムハンマドの風刺画を再掲。イスラム教徒が多い国々では抗議行動が起こった

翌10月にはパリ近郊で、言論の自由に関する授業で預言者ムハンマドの風刺画を教材として生徒たちに見せた教師サミュエル・パティさん(47)が、勤務先の学校近くで首を切断されて殺害された

(英語記事 Fourteen guilty in 2015 Paris terror attacks trial