2020年12月18日 11:06 公開

ナイジェリア北西部カツィナ州で先週、寄宿中学校の男子生徒多数が武装集団に連れ去られた事件で、地元当局はBBCに、生徒344人が解放されたと明らかにした。

カツィナ州知事のアブドル・ラバラン報道官によると、生徒らは全員、元気だという。生徒たちは州都カツィナシティへ移動中で、近く家族と再会すると明らかにした。

また、ボコ・ハラムが公開した映像は本物だと説明。一方で、アブバカル・シェカウ指導者を名乗って出されたメッセージは別人によるものだとした。

別の政府関係者もBBCハウサ語に、生徒たちが解放されたと認めた。どのように解放されたのかは明らかにされていない。

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寄宿中学校の襲撃をめぐっては、イスラム教主義の武装勢力「ボコ・ハラム」が犯行声明を発表。連れ去った生徒とみられる少年たちの映像を公開した。


当局はこれまで、拉致された生徒の人数について、地元住民の証言より少ない人数を発表していた。全員の安全が今回確保されたのかは分かっていない。

ロイター通信によると、カツィナ州のアミヌ・ベロ・マサリ州知事は、「ほとんどの少年を取り戻した。全員ではない」と述べた。AFP通信は治安当局者の話として、生徒の一部は捕らえられたままだと伝えた。

州政府のラバラン報道官は、殺害された生徒はいないと述べた。ただこれは、ナイジェリア軍の戦闘機によって数人が殺されたという、ボコ・ハラム映像に出てくる少年の話と食い違う。

寄宿中学校の襲撃

事件の目撃者によると、カツィナ州カンカラにある学校に11日夜、武装集団が現れた。発砲音がすると、多くの生徒は学校のフェンスを飛び越えて逃げた。

他の生徒たちは武装集団に捕らえられた。逃げ延びた生徒らによると、武装集団は自分たちのことを警備員だと生徒に思い込ませていた。集められた生徒たちは、近くの森へと徒歩で移動させられたという。

17日になって、ボコ・ハラムの印が入った映像が公開された。かなり年少と思われる者も含め、数十人の少年たちが映っていた。少年の1人は、ボコ・ハラムのアブバカル・シェカウ指導者の一味に連れ去られたと話し、救出のために出動した政府軍は引き返すべきだと映像の中で主張している。

事件の背景

ボコ・ハラムは、ここ10年ほどの間に生徒の拉致を繰り返し、悪評が高まっている。

2014年には北東部ボルノ州チボクの学校を襲い、300人近い生徒を拘束した。ボコ・ハラムという組織名はおおよそ、「西側の教育を禁じる」ということを意味する。

これまで生徒たちの連れ去りは、ボコ・ハラムが本拠地とするナイジェリア北東部で起きていた。

政府は北西部カツィナ州で起きた今回の拉致事件について、ボコ・ハラムの声明とは異なり、同組織と関係のある地元のギャング団が実行したとみている。

武器を使用した襲撃や誘拐は、ナイジェリア北西部で頻発している。地元のギャング団によるものとみられる事件が多い。

人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、今年前半だけで1100人以上がギャング団に殺害されたが、政府は実行犯を逮捕し法廷で裁くことができずにいる。

(英語記事 Hundreds of kidnapped Nigerian boys 'freed'