2020年12月18日 12:39 公開

設立70年以上になる国連児童基金(ユニセフ)は設立以来初めて、イギリスの子供たちに食料援助を提供することになった。パンデミックの影響で十分な食べ物を確保できない世帯が増えており、約2割の世帯で子供がおなかをすかせているからだという。

ユニセフUKのアナ・ケトリー氏は、「欠落を埋める」ための取り組みだと説明。「この国は世界有数の富裕国で、フードバンクや食料支援に頼る必要があってはならない」と述べた。

「究極的には、空腹に苦しむ子供をなくすため、食料貧困の根本原因に取り組む長期的解決が必要になる」

ユニセフは、ロンドン南部や南部デヴォンなどイギリス各地で貧困家庭の食料支援に取り組む市民団体や慈善団体連合に、数万ポンドずつの資金提供を始めた。

イギリス政府は、生活賃金(最低限の生活水準を維持するために必要な賃金)や福祉の追加、冬季特別手当(光熱費、水道代、防寒具や寝具などを支援)など、様々な救済策によって、困窮が厳しい世帯を「パンデミックの間とそれ以降も」支えていく方針だと述べている。

ユニセフの支援を受ける英南部プリマスの支援団体「Transforming Plymouth Together」のクリス・フォースターさんは、ユニセフから助成金を受けるようになるなど思ってもみなかったと話した。

これまで配っていた食料は缶詰や加工食品が多かったが、この資金援助によって生鮮食料品も提供できるようになるという。

「ある意味で怒りがこみ上げてくるが、同時に大勢を支えられてとてもうれしい」と、フォースターさんは話した。

「自宅の食料棚が空になってしまった家族に先週、食料を届けたところ、文字通り感謝で涙ぐんでいた」

プリマスで子供3人を育てている母親は、「もちろん子供には必ず食事を与えるので、そのため自分は2、3日間は何も口にしないということもある。子供たちが最優先なので、十分な食事を確実に与えられるようにしたい」と話した。

英与党・保守党幹部のジェイコブ・リース=モグ下院院内総務は17日、これについて下院で野党から質問され、ユニセフによるこの支援は「政治的」な意図によるものだと批判した。

(英語記事 Unicef to feed children in UK for first time