これは中国の狙いであり、日本を孤立させることだ。外国人である筆者が確信しているが、日本人の「生命と財産」、日本の領土を守る義務がある為政者たちが分かっていないからだろう。早く中国の恐ろしさに気付くべきだ。

 中国と深い関係にあるバイデン政権になれば尖閣諸島を巡るもっと恐ろしいシナリオもあるが、それは別の機会で述べたい。

 そして、日本が尖閣諸島問題に関して自由に行動できるのは、あと数週間だけだ。来年1月20日の大統領就任式でバイデン政権が誕生すれば、日本の自由度、すなわち主権はなくなる。繰り返すが、日本は主権国家として、自由に行動できるのは、あと数週間だけだ。

 さらに、バイデン政権が誕生した場合、日本政府にとってもう1つの重要な問題がある。それは正当性と世論だ。要するに、メディアや裁判が認めるか否かではなく、大統領選の投開票で不正があったことは明らかだ。

 少なくとも、筆者をはじめ、多くの米国の有権者はそう思っている。そのため、バイデンは大統領になっても、正当性のあまりない政権になる。政権発足から国内外で正当性が問われ、脆弱な大統領としてスタートするということだ。

 だからこそ、バイデンも、トランプ陣営と協力して、公平・公正に結果を検証すべきだったが、非協力的だっただけではなく、「次期大統領事務所(Office of the President-Elect)」を設立し、菅首相をはじめ外国の首脳たちから祝賀を受理し、電話会議を行うなど既成事実を重ねていこうとした。

 だが、手続きはまだ終わっていない。少なくとも、相手であるトランプはいわゆる敗北宣言をしていない。現職大統領へのバイデンの軽視姿勢を、国民は簡単に忘れない。

 面白いことに、バイデンが勝って、トランプが負けたと思う日本人も少ない。そう思わないにしても、今回の米大統領選が公平・公正に行われたと認識している日本人もあまりいないようだ。

 重要なのは、この現状だ。日本人の多くが、バイデン政権の米国に違和感を覚え、離れていくだろう。これは日米関係にとってよくないだけではなく、不信を孕む日米関係を担わざるを得ない菅政権にも打撃を与え始めている。

 つまり、こうした健全的な疑問を持つ日本人は、今後、いち早くバイデンに「お祝い」のメッセージを送り、バイデン「次期大統領」とベタベタな関係になろうとした菅首相に強い不信感を抱いている。
米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領との電話会談を終え、記者団の取材応じる菅首相=2020年11月、首相官邸
米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領との電話会談を終え、記者団の取材応じる菅首相=2020年11月、首相官邸
 新型コロナの対応も相まって、支持率が下落し始めており、安倍前首相でさえ(多くの政策運用上で)「裏切られた」と思っている菅政権との大きな乖離に発展していくだろう。(文中一部敬称略)