2020年12月23日 15:42 公開

フランスの行政問題の最高裁判所にあたる国務院は22日、パリのデモ対応に警察がドローンを使用することを禁止した。プライバシー保護を求める団体の訴えを支持した。

国務院は、パリ警視庁のディディエ・ラルマン長官に対し、公道でのドローンによる監視を「即刻」やめるよう指示した。

フランスでは、警察のドローン使用などについて定める治安関連法案をめぐり、議会で激しい議論が繰り広げられている。

同法案は、警官を撮影した写真や動画の共有を制限するのが主な狙い。

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プライバシー保護を求める団体La Quadrature du Net(LQDN)はこの法案について、表現の自由を侵害すると主張。カメラ付きドローンは平和維持の役には立たず、個人の追跡に利用されることになるとしている。

「合法か疑わしい」

国務院は、事前の許可と通知のないドローン利用を、「合法性が大いに疑わしい」と判断した。LQDNは、ドローンによる監視を政府が合法とするためには、治安維持にどうしても必要なことを示す「あり得ない証拠」を示さなくてはならないとした

今回の国務院の決定はパリ当局にとって、ドローンをめぐる2度目の敗北となった。国務院は5月、パリでロックダウン違反者の確認にドローン使用は認められないとの判断を示していた。

議会で審議中の法案の22条は、治安当局がドローンやヘリコプターから撮影した画像を指揮班に送ったり、警察の捜査のため30日以上保存したりできるとしている。

また、24条は職務中の警官の画像を「身体的または精神的に」傷つける意図をもって公開する行為を犯罪にする。この条項をめぐっては、大規模な抗議行動が起きた

警官による暴行

先月には、音楽プロデューサーのミシェル・ゼクレール氏が、パリにある自身のスタジオ内で警官4人に人種差別的な言葉を浴びせられ、殴る蹴るの暴行を加えられた場面の動画が浮上。人権団体などは、法案が通れば、こうした警官による暴力を明るみに出すことができなくなると訴えた。


エマニュエル・マクロン大統領は映像について、受け入れられないと批判。与党として法案の24条を修正すると約束した。

一方、ゼクレール氏を襲った警官らは22日、裁判所で条件つきの保釈が認められた。

(英語記事 France bans use of drones to police Paris protests