
2020年12月25日 12:50 公開
中南米で24日、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、メキシコの看護師が最初の接種者となった。
メキシコには前日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンが、初回配布分として3000回分届けられた。
メキシコは新型ウイルスの死者が、アメリカ、ブラジル、インドに次いで世界で4番目に多い。
中南米ではこのほか、チリとコスタリカでも同日、ファイザー/ビオンテック製のワクチンの接種が始まった。
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一方、アルゼンチンはロシア製のワクチン「スプートニクV」の緊急使用を承認しており、数日内に接種を始める予定。24日午前には、同ワクチン30万回分が首都ブエノスアイレスに届いた。
新型ウイルスの死者が中南米で最も多いブラジルは、来年2月中旬までワクチン接種を予定していない。ただ同国ではこのところ、感染者が改めて急増している。
ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、接種を受けないつもりだと表明している。すでに新型ウイルスに感染したため、免疫ができているのが理由だとしている。
「危険な環境にとどまるため」
中南米で最初にワクチン接種を受けたメキシコのマリア・イレーネ・ラミレス看護師(59)は、首都メキシコ市のルーベン・レニェーロ病院の集中治療室のトップを務めている。
ワクチン接種後、「恐ろしいが前に進まなくてはならない(中略)。私は危険な環境にとどまろうと思っている」と話したと、地元紙エル・ウニベルサルは伝えた。
メキシコはワクチンを3400万回分購入しており、製造地ベルギーから届けられる。
メキシコでの接種開始の模様は、アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領が午前のテレビ会見中に放送された。
同国政府は来年3月末までに、新型ウイルスの感染対策に当たっているすべての医療従事者に接種したい考え。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間25日午前時点)によると、メキシコの新型ウイルスの感染者は累計135万人を上回り、死者は12万人を超えている。
チリでは感染者が累計約60万人、死者は1万6300人以上になっている。コスタリカの感染者は累計約16万3000人、死者は2000人超。アルゼンチンでは累計160万人近くが感染し、4万2300人以上が亡くなっている。
チリのセバスティアン・ピニェラ大統領は、国内でワクチン接種が始まったことについて、希望と興奮に満ちた瞬間を迎えたと述べた。
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