以上、昨年の10~12月、自由主義の主要国、米日英独仏が一致団結し、そしてインド太平洋地域の主要国である豪印も加わり、中国の拡張と暴走を海から封じ込めようとする一連の動きをまとめてみた。

 このような中国封じ込めの国際的な「連合」ができ上がりつつあることが、われわれの住むインド太平洋地域の安全保障と平和の維持にとっては非常に重要な意味を持っていることは論を俟たない。英独仏などの地域外の国々も、まさに中国封じ込めの重要性が分かっているからこそ、大きなリスクを背負って海軍を派遣してくるのであろう。

 その中ではとりわけ、われら日本にとって、こうした中国包囲網の構築は重要な意味を持つ仕事であろう。日本の領土である尖閣諸島周辺の海が日常的に中国からの領海侵犯にさらされている中で、日本の生命線である台湾海峡と南シナ海のシーレーンが常に中国からの軍事的脅威にさらされているからだ。

 今後、海からの中国包囲網の構築が成功できるかどうかは日本にとって死活問題であり、日本はまさにその一番の当事者だ。そして、欧州各国の海軍が日本を助けるためにはるばる、この太平洋地域にやってくるわけである。

 繰り返すが、日本は当然ながらこの中国包囲網の構築において引き続き中心的な役割を果たし、大いなるイニシアチブをとっていかなければならない。

 これまで記してきたように、2021年は、日米豪印連携のクワッドが本格的に始動し、英独仏海軍が日本周辺の海にやってくる年になる。この重要な年においてこそ、日本は全力をあげて各国と緊密に連携し対中包囲網の完成に当たらなければならない。しかも、米国で1月20日に誕生する見通しのバイデン政権がどのような対中政策をとるかが極めて不透明な中で、日本が発揮すべきリーダーシップの役割はなおさら大きくなる。

 もし、日本がこの肝心な1年間において対中包囲網の構築を怠ったり、自らの発揮すべきリーダーシップを放棄したりするようなことになれば、対中包囲網の構築は完成寸前で挫折したり勢いを失ったりすることになりかねない。そうなれば、喜ぶのは中国の独裁者である習近平国家主席だ。

 そしてアジアの安全保障が台無しとなって日本の主権と領土の保全はかなり危うい状況になるだろう。日本は今、天国へ行くか地獄へ行くかの岐路に立たされていると言ってよい。

 したがって筆者は、一日本国民として今、日本政府とそれを率いる菅政権に心から願いたいことがある。それは、2021年というこの肝心の一年に、安倍前政権の大いなるレガシーを継承し、インド太平洋地域の中心国としてのリーダーシップを十分に発揮してもらいたいということ。そして「自由で開かれるインド太平洋」という旗印の下、有志各国を一致団結させ、海からの中国包囲網の構築と完成に全力をあげてもらいたい、という思いだ。

 これらは、日本政府と菅政権がアジアの平和に対して背負っていくべき大いなる使命であると同時に、われら日本国民に対して背負っているところの当然の責務でもある。「がんばれ菅政権、がんばれ日本政府」と、心からそう叫びたい。
臨時国会が閉会し、会見で記者団の質問に答える菅義偉首相=2020年12月、首相官邸(春名中撮影)
臨時国会が閉会し、会見で記者団の質問に答える菅義偉首相=2020年12月、首相官邸(春名中撮影)
 このように筆者は正月早々、2021年という一年に、わが日本国の主導下で強固な対中国包囲網の構築を実現し、われわれの暮らすこのアジアと世界が平和で安泰であることを願ってやまないのである。