2020年12月27日 19:19 公開

英シンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター」(CEBR)は26日、中国が当初予測よりも5年早い2028年までに、アメリカを抜いて世界最大の経済大国になるとの報告書を発表した。

CEBRは毎年12月26日に、世界各国の経済状況を比較した「世界経済リーグ・テーブル」を発表している。

同シンクタンクは、新型コロナウイルスによる感染症COVID-19への中国の「巧みな」管理能力が、今後数年間でアメリカや欧州と比較して相対的な成長を後押しするだろうとした。

この他、インドは2030年までに世界第3位の経済大国に成長すると予測している。

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中国は世界で最初にCOVID-19の打撃を受けたものの、迅速かつ極めて厳格な措置を取ることでこの感染症を抑制した。欧州諸国のように、多くの経済活動の停止につながるロックダウンを繰り返す必要はなかった。

その結果ほかの主要国とは異なり、中国は2020年の景気後退を回避し、経済成長率は約2%となる見通しだ。

対照的に米経済は、感染者数や死者数の多さから見て世界最悪の打撃を受けている。アメリカではこれまでに33万人以上が死亡し、1900万人近くが感染している(米ジョンズ・ホプキンス大学の集計、日本時間27日正午時点)。

アメリカ経済へのダメージは、金融政策や大規模な財政刺激策によって緩和されてきた。しかし、新たな刺激策をめぐりホワイトハウスと議会が紛糾(ふんきゅう)し、約1400万人の国民が近く失業保険給付を受けられなくなる可能性がある。

「ここ数年の世界経済では、経済力とソフトパワーで対抗する米中の争いが中心的テーマだった」と、CEBRは報告書で指摘する。「パンデミックとそれに伴う経済への影響は、確実に中国に有利に働いた」。

報告書によると、米経済は「2021年にパンデミック後の力強い回復」を受け、2022年~2024年までは年間約1.9%の経済成長を遂げ、その後は1.6%まで失速する見通しという。

これに対し中国経済は2025年までは年間5.7%、2026年~2030年までは年間4.5%の成長が見込まれる。

報告書は、世界経済に占める中国のシェアは2000年時点はわずか3.6%だったが、現在は17.8%にまで拡大しており、2023年までには「高所得国」になるとしている。

中国経済はCOVID-19を早期に抑え込んだことだけでなく、先進製造業など特定産業に特化した積極的な政策決定の恩恵も受けていると、CEBRのダグラス・マクウィリアムズ副会長は述べた。

「中国は経済の一部で集中制御を目指しつつも、他の分野ではかなり自由市場経済を目指しているようだ」と、マクウィリアムズ氏はBBCに述べた。「そして特に科学技術分野などの前進を支えているのが、自由市場の方だ」

ただし、中国の人口はアメリカの4倍なだけに、たとえ中国が世界最大の経済大国になっても、平均的な中国人の経済状態は平均的なアメリカ人よりもかなり貧しいままだという。

その他の予測

  • ブレグジット(イギリスのEU離脱)後のイギリス経済は、(2020年の縮小後)2021年~2025年には年間4%、2026年~2030年には年間1.8%の成長が見込まれる
  • 2019年にイギリスを抜いて世界第5位の経済大国となったインドは、パンデミックの影響で再び後退した。インドが再びイギリスを追い抜くことは2024年までないだろうとCEBRは予測している
  • CEBRによると、インド経済はさらに2027年にはドイツを、2030年には日本を追い抜く見通しという

(英語記事 Chinese economy 'to overtake US by 2028'