2020年12月30日 22:36 公開

イギリス政府は30日、英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認したと発表した。来年1月4日から接種が始まる予定。

イギリス政府はすでに、5000万人に投与する1億回分のオックスフォード/アストラゼネカ・ワクチンを発注済み。すでに承認し接種が始まっている米ファイザーと独ビオンテックによるワクチンと合わせて、国内全員の予防接種が可能になると、マット・ハンコック保健相は話した。イギリスは人口約6700万人。

イギリスで新型コロナウイルスの感染は拡大中で、29日には大規模検査が始まって以来最多となる5万3135人の新規感染が確認された。加えて、ウイルス検査で陽性が判定してから28日以内の人が414人、新たに亡くなった。

医薬品・医療製品規制庁トップのジューン・レイン博士は、オックスフォードとアストラゼネカのワクチンによって数万人の命が助かると述べた。さらに、ワクチンの安全性や有効性を確認するにあたり「一切の近道や手抜きはしてない」と話した。

ボリス・ジョンソン英首相は、イギリス製ワクチンの開発と承認について、イギリス科学にとって「勝利」だとたたえ、「できる限り速やかにできるだけ大勢の人に、接種するために動く」と述べた。

イングランド主任医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授は、「大勢による大変な努力によってここまでたどりついた」と歓迎した。

すでに開発されたワクチンのいずれも、各国で確認されている新型コロナウイルスの変異株に対しても有効だとされている。

「2021年は希望と回復の年に」

各地の予防接種センターは来週から、オックスフォード/アストラゼネカ・ワクチンの接種を開始する。

新型コロナウイルスのワクチンではこれまでに、ファイザー/ビオンテックのもののほか、米モデルナ製がアメリカなど一部の国で承認されている。

ただし、オックスフォード/アストラゼネカのワクチンは他の2種類よりはるかに安価なのに加え、超低温保管が必要な他の2種類と異なり、普通の冷蔵庫(摂氏2~8度)で保管できるため、世界各地に幅広く普及しやすいことが利点と期待されている。

さらにイギリスにおいては、国内で製造されていることから、国内での供給が容易になる。ファイザー/ビオンテックのワクチンはベルギーから輸入する必要がある。

イギリスではこれで、ファイザー/ビオンテック製とオックスフォード/アストラゼネカ製の2種類のワクチンが承認されたため、毎週200万人ずつ予防接種できる見通しとなった。

BBCの朝の情報番組「ブレックファスト」でハンコック保健相は、新型ウイルスとの闘いにおいてこれは「重要な瞬間」だと述べ、「パンデミック脱出の方法が見えるようになったので、2021年は希望と回復の年になれる」と話した。

イギリスでは12月8日、ファイザー/ビオンテック製のワクチンの接種が世界で初めて始まった。それ以来、国内ですでに60万人以上が接種を受けている。

真っ先に接種を受けているのは、医療・介護従事者、介護施設の居住者や80歳以上の人たち。今後は70代の人、感染リスクの高い人、66-69歳の人、基礎疾患のある人などと、接種対象を順次拡大していく。

(英語記事 Covid-19: Oxford-AstraZeneca coronavirus vaccine approved for use in UK