平野和之(経済評論家)


 私は早い段階から、本サイトでも経済的視点を中心に新型コロナ対策がどうあるべきかを論じてきたが、第2波、第3波を見ていると、効果的な対策が見られない。

 やはりという感だが、菅義偉(すが・よしひで)首相は、仕事始めの1月4日、ついに2度目となる緊急事態宣言(4都県)の発令に向け検討を始めたことを明らかにした。

 だが、緊急事態宣言を発令しても、一時的な終息にとどまるだけで、コロナウイルスの変異種なども踏まえれば、永遠に続くと危惧している。ゆえに、本稿では、感染拡大の真の要因と対策について、きれいごと抜きで論じたい。

 昨年の第1波は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に象徴されるように、海外を往来する人たちが主要因とみられ、一気に感染者が増加した。

 これを受けて4月に緊急事態宣言を発令(7都府県)したが、発令時点ですでにピークアウトしていた。専門家の見解は後出しジャンケンだが、あまり意味がなかったとの意見が大半を占めた。

 また、第2波以降は、20~30代の若者が主要因とされ、特に風営法の管轄となるキャバクラやホストクラブがターゲットになり、この分野を押さえ込めば効果が上がると勘違いした。
 
 さらなる間違いは、第2波の際に政府や国民が楽観してしまったことだ。シニアはあまり感染しない、重症化しにくくなったといった雰囲気が広がり、経済最優先に方針転換してしまった。

 ご存じの通り「GoToトラベル」と「GoToイート」によって、若者だけでなく高齢者も一斉に動き出した。そして昨年秋以降、感染が急拡大した結果、野党とメディアはこぞって「GoTo」を念頭に、観光と飲食店での会食を槍玉に挙げた。

 大企業を中心に会食禁止の大号令を出したことは理解できるが、メディアが連呼、表記したのは「観光」「飲食店」だ。これについては、外食産業や観光産業は営業妨害として訴訟を起こすべきレベルだ。

 要するに、クラスター(感染者集団)が多発しているのは、風営法管轄のキャバクラやホストクラブなどかもしれないが、こうした店にコロナウイルスを持ち込む根本の議論が抜け落ちている。

 キャバクラやホストクラブなどでクラスターが起きたのは事実だが、性風俗業従事者との「アフター」などで濃厚接触した場合などが大半だ。これはラブホテルなどを利用する不倫関係や出会いサイトなどによる行きずりの性交渉も含めてだが…。

 つまり、本格的に規制すべきなのは、違法やグレー、合法も含めた性産業なのだ。さらに調査を進めると、先に不倫関係などの男女に触れたが、感染者の多くは出会い系サイトなどに端を発した交際のほか、大学のナンパ系サークルでの乱痴気騒ぎなどの要因も多いようだ。
歌舞伎町の繁華街=2020年12月21日、東京・新宿(酒巻俊介撮影)
歌舞伎町の繁華街=2020年12月21日、東京・新宿(酒巻俊介撮影)
 食中毒の対応を含む食品衛生法が象徴的だが、保健所は食中毒を出した店を調査し、行政はそこにペナルティーを科す。だが、その魚は漁師が獲って仲買が持ち込み、市場を通して最後に行きつくのが飲食店である。買った魚が流通段階で食中毒を起こす菌などが付着しても、行政処分を受けるのは食中毒を出した店になる。

 この原則こそ見直さなければ、私は抜本的なコロナ対策はできないと考える。なぜなら、今までの休業や時短営業要請は、感染が拡大している店を抑えるだけで、真の「感染源」の撲滅にはつながらないからだ。