要するに、性風俗店や出会い系サイト、ナンパ、不倫などで感染した人々が飲食店を利用したり、市中を歩き回ったりした結果、家族や会社、大学のサークル内などでまき散らしクラスターにつながるわけだ。

 こうした経路で感染し、正直に申告する人がいるわけがない。ゆえに、だれが考えても分かることだが、中国や韓国、台湾などで感染抑制が比較的うまくいっていくのは「デジタル感染経路追跡」を取り入れた部分が大きい。基本、プライバシーよりも感染撲滅を優先するからにほかならない。

 日本は「プライバシー保護」の名の下に、やりたい放題であり、感染拡大を防げるわけがない。

 そもそも出会い系サイトの匿名利用はさまざまな事件に発展する要因にもなっており、政治家はこうしたツールの利用者のトレーサビリティ(追跡可能性)などを、この際議論するべきだ。

 また、風営法そのものも改正すべきで、公衆衛生の徹底だけでなく、トレーサビリティの法制化も検討すべきではないだろうか。

 とはいえ、「こんな法整備をすれば客が激減して業界がつぶれる」と批判が集中するだろう。さらには、反社会的勢力が背景にあることが予想され、法制化は困難を極めるに違いない。

 だが、戦後に遊郭などが売春防止法施行で姿を消したように、社会情勢に合わせて淘汰される性産業は歴史の常である。コロナで経済が停滞し、大混乱を起こさないようにするためなら、一部の「犠牲」は致し方ない。こうした法整備によって、反社会勢力の資金ルートを根絶することもできるなら一石二鳥でもある。

 一方、ワクチンの普及に期待しすぎている風潮も危険だ。そもそもインフルエンザワクチンが出回っていても、接種する人は限定的であり、毎年多くの人がインフルエンザウイルスに感染し、重症化した高齢者を中心に死亡しているのが現状だ。新型コロナに対応したワクチンが普及したところで、根本解決にはならないだろう。

 コロナの感染拡大が始まっておよそ1年が過ぎても根本解決に至らないもう一つの要因は、言わずもがな水際対策だ。少々現実離れした話になるが、私が日本を貶めるために派遣される外国のスパイなら、コロナに感染した上で日本の甘い検査をすり抜けて入国させ、性風俗店をハシゴする。
年頭記者会見をする菅首相。4都県を対象に緊急事態宣言発令の検討に入ると表明した=2021年1月4日、首相官邸
年頭記者会見をする菅首相。4都県を対象に緊急事態宣言発令の検討に入ると表明した=2021年1月4日、首相官邸
 そうすれば、ほかに何もしなくて性風俗店の従業員や利用客が勝手にウイルスをばらまいてくれる。先に記したように、日本はプライバシーを重視するあまり、性風俗店などでの感染はたどれないからだ。

 日本はテロに弱い国だと指摘されて久しいが、まさにそれがコロナ禍で露見したかたちだ。

 再度念を押すが、どこまでプライバシー保護を優先するのか、そしてきれいごとを抜きに「火元」を消す議論をするかが、コロナ終息のカギとなるのではないだろうか。