2021年01月06日 12:42 公開

米連邦議会上院(定数100)の多数党を決めるジョージア州の2議席をめぐる決選投票が5日、同州で行われ、2議席とも民主党新人が共和党現職から奪還した。これによって、民主党が上下両院の多数党となり、ジョー・バイデン次期大統領の政権運営に大きく貢献する見通しとなった。

決選投票では、民主党新人のラファエル・ワーノック牧師(51)が共和党現職のケリー・レフラー議員(50)と、共和党現職のデイヴィッド・パーデュー議員(71)が民主党新人で元ジャーナリストのジョン・オソフ候補(33)と、それぞれ争った。11月の総選挙ではどの候補も、当選に必要な得票率50%に達しなかったため、ジョージア州法に従い、決選投票に臨むことになった。

ワーノック牧師は現地時間6日未明、開票率98%の時点で、レフラー議員に対して自分が勝ったようだと表明した。米CNNや米紙ニューヨーク・タイムズ、AP通信など複数の米メディアは同日未明、ワーノック牧師がレフラー議員に勝ったと報じた。

さらに、パーデュー議員とオソフ候補が争う議席については、BBCなど報道機関に選挙結果データを提供する調査会社エジソン・リサーチが6日午前、民主党のオソフ氏が得票率50.2%で勝つ見通しだと予測。6日午後までに複数の米メディアが、オソフ候補が勝つ見通しと伝えた。

これによって、上院の構成は民主党と共和党が50議席ずつとなった。過半数採決の場合、過半数を必要とする上院議決ではその場合、上院議長の副大統領が投票するため、1月20日以降はカマラ・ハリス次期副大統領(民主党)が上院議長として膠着(こうちゃく)打破の1票を入れることになる。

連邦議会の下院(定数435)は、民主党が222議席で多数党。

民主党がホワイトハウスと上下両院をすべて掌握するのは、2009年以来となる。

議会の構成は、バイデン政権の推進する環境保護や医療保険などの主要政策で法案が成立するかに大きく影響する。

連邦議会はさらに、連邦政府予算の決定権をもつ。また上院は、政府高官や連邦裁判事の人事承認、条約批准などの権限をもつ。

オソフ氏は同午前8時前、「ジョージア、ありがとう」と勝利宣言のビデオをソーシャルメディアに投稿し、「合衆国上院で皆さんのために奉仕するよう私を選んでくださった、ジョージアの皆さんに、謹んで感謝します」と述べた。

AP通信によると、ワーノック牧師の得票率は50.7%。レフラー議員は49.3%だった。オソフ候補の得票率は50.28%、パーデュー議員は49.72%だった。

パーデュー議員とレフラー議員は敗北を認めていない。

一方で民主党幹部のチャック・シューマー上院院内総務は早くも多数党の院内総務を名乗り、「アメリカ国民に支援と大胆な変化を届けるため、バイデン次期大統領とハリス次期副大統領のパートナーとなり、前向きな政策を実現する手助けをする用意がある」と声明を出した。

バイデン次期大統領は、ワーノック牧師の勝利は「画期的だ」と歓迎。さらにオソフ候補についても、「開票が終わった時点で、ジョン・オソフも勝利すると期待している」とコメントした。

ジョージア初の黒人上院議員へ

ワーノック牧師は、南部ジョージア州初の黒人上院議員になる。さらに、連邦議会上院で史上11人目の黒人議員となる。

ワーノック氏はかつて、マーティン・ルーサー・キング牧師が務めたアトランタの教会で首席牧師を務めている。勝利を宣言したワーノック候補は、10代のころに農園で働いた母親ヴァーリーンさんをたたえ、「ここはアメリカなので先日、誰かの綿花をつむために使われていた82歳の手が、自分の末息子を合衆国上院議員にするために投票した」と述べた。

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ジョージア州で民主党候補は20年来、連邦上院の議席を獲得できていなかった。ただし、大統領選ではバイデン氏が約1万2000票差で、民主党候補としては同州で1992年以来の勝利を収めた。

CBSニュースによると、約400万人の有権者が投票した。ジョージア州の登録有権者の約40%にあたる約300万人が、期日前に投票した。

出口調査では、議会の多数党にどの党を希望するかと質問された有権者は、49%が共和党、48%が民主党と答えた。この割合は昨年11月の選挙時とほとんど同じ。ジョージア州の有権者の29%は黒人で、そのうち9割が民主党支持者。一方で同州の白人有権者の大多数は共和党支持者という構図になっている。

また複数の世論調査によると、ほとんどの有権者は11月の大統領選・議会選と同じように投票すると見られていた。トランプ氏を支持した有権者は今回、パーデュー議員やレフラー議員を支持し、バイデン氏を支持した有権者はワーノック候補とオソフ候補を支持したとみられる。

民主党は州都アトランタとその周辺など都市部の支持基盤に働きかけた。共和党は州北部や農村部の支持固めに力を入れた。

ドナルド・トランプ米大統領やその支持者が、同州での選挙の公平性を否定し続けたことが、共和党支持者の投票減少につながるおそれがあると、共和党関係者は懸念していた。

トランプ氏の支持者たちが議事堂に侵入

大統領選の結果を受け入れず、不正選挙だったと立証されていない主張を続けているトランプ大統領はツイッターで、また共和党候補を不利にするための不正があったようだとツイートした。

首都ワシントンにはトランプ氏の呼びかけに呼応した支持者たちが集まり、5日には一部が警察と衝突。地元報道によると、少なくとも6人が銃器の不法所持や警官への暴行などの容疑で逮捕された。

6日午前からはホワイトハウスの前や近くのナショナル・モールにも、トランプ氏の支持者が大勢集まった。トランプ氏は支持者たちに、自分は決して敗北を認めないと演説した。

支持者たちはその後、連邦議会議事堂に大挙して押し寄せた。一部は建物によじ登り、議事堂内に侵入し、上院本会議場などを占拠した。

(英語記事 Georgia Senate election on knife-edge in vote count