こうした現状を踏まえ、立憲民主党は、私が座長を務めている「外国人の受け入れ制度及び多文化共生社会のあり方に関するPT」において、この新たな雇用許可制度の具体的な検討を進めている。

 その柱となるのは、国同士の公的な責任の下に制度を管理・運用することであり、これによって民間ブローカーの介在を排除することだ。

 その上で、国が国内労働者では求人を充足できない状況にある事業主を認定し、日本での就労を希望してくれる外国人労働者との透明性あるマッチングや、出国前の日本語などの研修、入国後の継続的な研修や生活支援などにも責任を持ち、現行制度の問題の根源にある実習生の借金問題をも解消することをめざしている。

 このような抜本的な改革なくして、世界から「奴隷労働」とも評されている現行の技能実習制度の改革は実現できないと考える。併せて、国内における多文化共生社会づくりのための努力を国が責任を持って実施しなければならない。

 技能実習生はすでに40万人を超えたが、国内にはすでに166万人(2019年10月末時点)もの外国人労働者が就労し、そして地域において生活し、納税している。子供のいる外国人世帯も多数に上っており、地域によっては就学児童の一定割合を外国人の子供たちが占めている。技能実習生や就労留学生を含む外国人たちは、それぞれが居住する地域における生活者であり、地域共生社会の構成員なのである。

 しかし、これまで国は、本音と建前の使い分けの中で、技能実習生を労働者や生活者として適切に保護する責任を放棄し、外国人労働者や居住者が急増する中にあっても、その責任を地方自治体や事業主に丸投げしてきた。

 その結果として、本来提供されるべき公的な保護やサービスが届かず、人権侵害にあっても声を上げられなかったり、子供たちが就学できなかったり、生活苦に陥ってもなんの支援も受けられなかったりしているのではないだろうか。

 このような社会問題への対応も急務であり、私たちは技能実習制度の改革と併せて、多文化共生社会を構築するために国の責任や施策を明確化するための基本法案も構想している。

 世界に例を見ないスピードで人口が減少していく日本の経済・社会をこれからもしっかりと支え、成長させていくためにも、今こそ、外国人技能実習制度の抜本改革や多文化共生社会の構築に向けた努力を、党派や思想信条を越えて断行すべきである。

 
帰国するフィリピン人技能実習生ら=2018年11月、福岡空港
帰国するフィリピン人技能実習生ら=2018年11月、福岡空港
 すでに世界は、人材獲得競争の時代に入っており、アジアも例外ではない。これまで夢と希望と憧れを持って日本に来てくれていた外国人技能実習生たちが、今回のコロナ禍で再び顕在化したように、雇用の調整弁や都合のいい低賃金労働者、いやまるで奴隷労働者のように使い捨てられ、日本に絶望して帰国するような事態が今後も続くようであれば、遅かれ早かれ、日本が選ばれなくなる国に転落することを覚悟せねばなるまい。それだけ、状況は危機的だと認識すべきである。