2021年01月08日 13:42 公開

イギリス当局は7日、イングランドとスコットランドへの海外からの渡航者に対し、事前に新型コロナウイルス検査で陰性を証明するよう求めると発表した。

イギリス人を含め、国外から両地域に渡航する人は今後、出発までの72時間以内に、滞在国で検査を受ける必要がある。

この施策はイングランドでは週明けから、スコットランドでは「早急に」実施される予定だ。

当局はウェールズおよび北アイルランドの自治政府とも緊密に協議し、同様の対策を取るとしている。

グラント・シャップス運輸相は、このルールは南アフリカやデンマークで確認された新型ウイルスの変異株の流入を防ぐためだと説明。

「イギリスはすでに国外からのCOVID-19流入を防ぐ対策を講じているが、国際的に変異株が発生している今、さらに警戒を強めなくてはならない」と述べた。

イギリスではこの日、新たに5万2618人の感染が報告された。検査で陽性が判明してから28日以内に亡くなった人は1162人に上り、2日連続で1000人を超えた。

こうした中、ボリス・ジョンソン首相は15日までに「数十万回分」のワクチンをイングランドで提供すると約束した。

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イングランドでは現在、感染リスクの高い国からの渡航者には検査の有無に関わらず10日間の自主隔離が義務付けられているが、今回の施策はこれに上乗せされる格好。

渡航者が陰性証明を提出できなかった場合、その場で500ポンドの罰金が科せられる予定だ。

しかし輸送業者や11歳未満の子ども、検査インフラのない国からの渡航者などは例外となるほか、隣国アイルランドとの共通旅行区域からの渡航者も検査は免除されるという。

当局は今後、検査の基準や提出すべき証明書の詳細を発表する。

スコットランド自治政府も、「できるだけ早く」同様の規制を導入すると発表した。

イングランドはまた、南アフリカで発見された変異株の流入を防ぐため、同国の近隣諸国からの渡航者を全面的に禁止する方針。

これにはナミビアやジンバブエ、アンゴラ、ボツワナ、モーリシャスおよびセイシェルが含まれる。南アフリカからの渡航は昨年12月にすでに禁止されている。

航空業界からは「早期解除」の声

イギリスでは現在、イングランドとウェールズ、北アイルランド、スコットランドの大部分がロックダウンされており、国外旅行自体が少なくなっている。

航空業界は、国内の病院がパンデミックで医療崩壊に陥らないためにこうした規制が必要だと認めているものの、できるだけ早く規制を解くよう閣僚に求めている。

業界団体エアラインズUKのティム・アルダースレイド最高経営責任者(CEO)は、今回の規制は「短期的な緊急措置にとどめるべきだ」と訴えた。

その上で、「ワクチン接種事業が加速した暁には、早急な旅行産業の回復に注力すべきだ」と述べた。

ロンドン・ヒースロー空港のジョン・ホランド=ケイ社長も、事前検査を歓迎したものの、空港はこうした施策を昨年4月から求めていたと指摘した。

ワクチン接種事業の現状は

ジョンソン首相は7日の記者会見で、ワクチン接種事業はイギリス全土で困難を伴っていると説明。軍が派遣されるなど前例のない規模になっていると述べた。

首相によると、イングランドでは15日までに、かかりつけ医の診療所など1000カ所以上で「数十万回分」のワクチンが接種できるようになる。

また、従来の200カ所の薬局に加え、223カ所の病院と7カ所の「巨大なワクチンセンター」でもワクチンを提供できるようにし、誰でも自宅から10マイル(約16キロ)以内にワクチンセンターがある状態になると述べた。

イギリスではこれまでに150万人近くが、少なくとも1回のCOVID-19ワクチンを接種している。

政府は80歳以上の高齢者を含む最優先グループの接種を2月15日までに完了する目標を掲げている。

こうしたワクチン接種事業は、先進国を中心に次々と展開されている。欧州連合(EU)は6日、米モデルナのワクチン使用を承認した。EUとしては2例目となる。

(英語記事 England and Scotland arrivals to need negative test