2021年01月09日 20:03 公開

ジェイムズ・ギャラガー、保健・科学担当編集委員

米ファイザーと独ビオンテックは8日、共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、イギリスと南アフリカで確認された変異株にも効果があること示す研究結果が出たと発表した。

新型ウイルスの変異株は他にも複数見つかっており、今回ワクチンの効果がみられたのはイギリスと南アフリカで確認されたもののみ。

そのため今回の研究結果は歓迎されている一方で、ワクチンの効果に関する決定的な科学的証拠だとは見られていない。

イギリスと南アフリカで確認された変異株はいずれも世界各国に急速に広まっており、ワクチン接種がどの程度の防御になるのか問われている。

ワクチンは変異株にも効果があるというのが大方の見方だが、研究者たちはそうした証拠を探し出そうとしている。

テキサス大学医学部による研究は、イギリスと南アフリカで見つかった変異株の両方にある、N501Yと呼ばれるスパイクたんぱく質の変異に焦点を当てたもの。スパイクたんぱく質は、ウイルスと人の細胞が結合する部分。

N501Yの変異によって、ウイルスが前より簡単に人体に侵入して感染する可能性があるため、注目されている。

「朗報」

研究者たちは変異したウイルスと変異していないウイルスの2種類を作成し、臨床試験でワクチンを接種した患者20人から採取した血液サンプルにこれらのウイルスを加えた。

その結果、ワクチンを接種した患者の免疫システムは新たな変異株の感染を防ぐことができた。

ただし変異株には複数の変異が含まれているため、免疫システムを回避する複合的な効果があるかもしれない。

英ケンブリッジ大学のラヴィ・グプタ教授は、「研究で使ったのは、イギリスで見つかった変異株8種のうちの1つにすぎない。それに実際のところ、その変異株単体で大きな影響を及ぼすとは考えられていなかった」と述べた。

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のスティーヴン・エヴァンス教授は、「反対の結果が出ていたら(中略)とても心配で、困った事態になっていた」と述べた。

「なのでこの結果は朗報だ。ただし、ファイザー製(あるいは他の)ワクチンが間違いなく免疫獲得につながるという確信を持つにはまだ不十分だ」


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(英語記事 Pfizer vaccine 'works' against key variant mutation