東海道新幹線からJR京都駅で山陰線の特急はしだてに乗り継ぎ、京都府福知山市へ向かったのは2020年12月上旬。福知山といえば、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀が戦国時代に平定した丹波国として注目される地方都市の一つだ。
光秀が丹波国へ向かったとされるおよそ450年前に思いを馳せつつ、車窓から色づいた紅葉を楽しんでいると、1時間20分ほどで福知山駅に到着した。
福知山市を訪れた理由は、光秀ブームだけではない。全国初の観光施策「非接触自動スタンプラリーin福知山」がスタートし、新型コロナ禍に苦しむ地方観光の克服策として注目されていたからだ。
スタンプラリーは本来、観光名所などを巡る過程で、各地のスタンプを押していくものだが、不特定多数が触れる方法はこの時世においては敬遠される。そこで、文字通り「非接触」でやれないかと企画したのが、国内外で地方自治体のPRコンサルティングなどを展開する「クロスボーダー」(東京都台東区、佐藤泰也代表取締役)だ。
「IoT(モノのインターネット)技術を使った日本初の街中回遊ゲーム」として、もともと大規模工場内などで従業員の動きを把握する目的でSocial Area Networks(東京都中央区、森田高明代表取締役)が開発したシステムを、クロスボーダー社がスタンプラリーへの転用を発案した。
これを基に、報道発表やパブリシティ活動など基本的なPR活動に加え、フェイスブックを活用し、福知山のファンづくりを実施したり、管理栄養士が福知山の「食」を解説した記事を投稿したりするなど、「日本初の街中回遊ゲーム」をフックに、訪問できない人にも魅力を伝える工夫を凝らした。特に、福知山市の鹿肉などジビエの流通を拡大するため、Stayway(東京都渋谷区、佐藤淳代表取締役)と連携してネット販売を実施し、観光誘致とともに食も売り込む、コロナ禍における観光プロモーションの一つの在り方を示している。
これを基に、報道発表やパブリシティ活動など基本的なPR活動に加え、フェイスブックを活用し、福知山のファンづくりを実施したり、管理栄養士が福知山の「食」を解説した記事を投稿したりするなど、「日本初の街中回遊ゲーム」をフックに、訪問できない人にも魅力を伝える工夫を凝らした。特に、福知山市の鹿肉などジビエの流通を拡大するため、Stayway(東京都渋谷区、佐藤淳代表取締役)と連携してネット販売を実施し、観光誘致とともに食も売り込む、コロナ禍における観光プロモーションの一つの在り方を示している。
非接触自動スタンプラリーの仕組みは非常に分かりやすい。JR福知山駅の観光案内所で専用カードを借り(無料)、スタンプラリーに賛同した市内50の店や寺社仏閣を訪れるだけで自動に記録され、各地に設定されたポイントの数が貯まれば、その数に応じた特典がもらえる。

注目すべき点は、もう一つ。スマートフォンなどにアプリを入れる方法は簡単だが、特にスマホの扱いが不得手な高齢者にとっては困難だ。カードを所持しておくだけで簡単に参加できるといった利便性も考慮したという。
企画の背景には、光秀ブームに湧き、そのシンボルである福知山城とその関連施設の来場者が急増しただけに、「もう一カ所足を延ばしてもらえないか」という思いもあったからだ。