今の時代に前例踏襲主義ではやっていけません。コロナ禍もそうですが、環境の変化やそれに伴うリスクなどを乗り越えて初めて持続可能になります。要するに、しなやかで強靭な街づくりが求められているということです。

 ですから、実証実験として実施した今回の非接触自動スタンプラリーは、その分析結果に応じて、福知山のウイークポイントはどこにあるのか、どこに課題があるのかも教えてくれるでしょうね。

 例えば福知山城はたくさんの人が訪れたけど、ほかの光秀ゆかりの場所はイマイチだったとか、お店も同じですよね。その理由が、いわゆる距離的な問題なのか、PRがうまくいってなかったのかなどが見えてくると思います。

 さらに、今回は観光面でやっていただいたわけですけど、IoT自体は決して観光だけに生かすものではないですから、それが福祉や農業の活性化につながっていくでしょう。非接触自動スタンプラリーは1月末で終了しますが、コロナ禍の経験から、観光分野だけでなくほかの分野での応用も含めて活用を検討したいですね。

 先にも触れましたが、そもそも福知山の強みは観光ではなかったわけです。そこに、大河ドラマという追い風が吹いて、さらにコロナという逆風が吹いたわけです。未来というものは、何が起こるか分からない面が大きいですが、今を生きている私たちだけではなく、未来を生きる人たちの両方を考えていくことが必要です。

 こうした中で、コロナ禍もあって、ローカルシフトの話がよく言われるようになりました。東京一極集中の解消は本格的になるでしょうね。とはいえ、ローカルシフトといっても受け皿がなくては意味がありません。

 そこはまず地方が努力すべきかと思いますが、もう少し国としてもローカルシフトしていけるような形を作っていただきたいですね。当然ですが、地方レベルでできることと、国がやらなければできないことがあります。
古くから交通の要衝として栄えた福知山市=2020年12月(西隅秀人撮影)
古くから交通の要衝として栄えた福知山市=2020年12月(西隅秀人撮影)
 国が本当に東京の一極集中を排して、ローカルシフトを進めようと思うなら、今このタイミングの中で推進できる政策をしっかりやってほしいですね。そうしていただければ、もちろんですが、われわれも協力や努力を惜しみません。それがコロナ禍の克服や地方創生、ひいては日本の未来のためになるわけですから。(聞き手、編集、iRONNA編集部)

 おおはし・かずお 福知山市長。1954年生まれ。立命館大法学部卒。裁判所職員として勤務後、2007年4月の京都府議選に出馬し初当選し、3期務めた。その後、16年6月の福知山市長選に無所属で出馬し、現職を破って当選。現在2期目。