2021年01月12日 13:32 公開

英イングランドで新型コロナウイルスの変異株の感染拡大を食い止めるための3度目のロックダウンが敷かれる中、ボリス・ジョンソン英首相が首相官邸から約11キロ離れた場所に出かけ、サイクリングをしていたとして批判を浴びている。

英紙イヴニング・スタンダードが11日に報じたところによると、ジョンソン首相が10日、イースト・ロンドンにあるオリンピック・パーク周辺で自転車に乗っている姿が目撃された。

英政府は市民に対し屋外での運動は認めているものの、居住地域外へ移動すべきではないとしている。

首相官邸の報道官は、ジョンソン氏が公園まで車で移動したのか、あるいは自転車で移動したのかについて明らかにしなかったが、同氏は新型ウイルス感染症COVID-19対策のガイドラインを順守していたとした。

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最大野党・労働党のアンディ・スローター議員(ハマースミス選挙区選出)は、首相が「再び、自分がやっていないことを実行しろと言っている」と指摘。「ロンドンは英国内で最も高い感染率が確認されている地域の1つだ。ボリス・ジョンソンは手本を示すべきだ」と付け加えた。

「ショックを受けた」

こうした批判に対し、首相官邸は「首相はCOVID-19ルールの範囲内で運動しており、そうではないとの指摘は間違っている」とBBCに述べた。

ある女性は英PA通信に対し、「彼(首相)はニット帽をかぶった別の男性とおしゃべりしながら、のんびりとサイクリングしていた。4人かそれ以上の警備員が首相の後ろを自転車で走っていた」と述べた。

「COVID-19の現在の状況を考えると、首相がサイクリングしているのを見てショックを受けた。あまりにのんきに見えたので」

「それに、首相は人々に対して自宅にとどまり、居住地域を離れないよう助言しているのだから、自分もウェストミンスターにとどまってほかの地区に移動すべきではないのでは?」

マット・ハンコック保健相は11日の首相官邸での記者会見で、自転車で約11キロ移動するのはルールの範囲内なのか問われると、「大丈夫だ。長い散歩に出かけて、結果的に自宅から7マイル(約11キロ)先まで移動した場合は問題ない。ただし、居住地域にとどまって生活すべきだ」と述べた。

「散歩やサイクリング、運動で長い距離を移動するのは問題ないが、居住地域にとどまって生活してほしい」

「解決策が必要」

先週末には、女性2人が散歩のために自宅から約8キロにわたって車で移動した際に警察に取り囲まれ、200ポンド(約2万8000円)の罰金を科された。これを受け、運動のための移動をめぐる問題が浮き彫りとなった。

ダービシャー警察は女性2人に対する罰金を取り下げて謝罪したが、感染拡大防止のガイダンスをめぐる議論が巻き起こった。

イングランドに対する政府のアドバイスでは、運動のための外出は認められているものの、「運動は1日1回に制限し、居住地域外に移動すべきではない」とある。

さらに、「地元にとどまるというのは、自分が住んでいる村や町、あるいは都市の一部にとどまることを意味する」となっている。

スコットランドのアドバイスはより厳密で、「開始場所と終了場所が同じで、自分の住む地方自治体の境界から最大5マイルまでの移動であれば」運動を認めるとなっている。

自由民主党の元党首ティム・ファロン氏は、スコットランドと同様の、運動に関するより明確なガイダンス作成を求める書簡をジョンソン氏に送った。

「一方で、ここ(イングランド北西部)カンブリアの警察は人々が(中略)湖水地方で運動するために数百マイルも移動してきていると報告している」と、ファロン氏は書いた。「そしてもう一方で、私は有権者たちから、地元の公園で散歩するために車を5分間運転したら罰せられるのか心配する内容の手紙を受け取っている」。

さらに、「人々が長距離を移動して新型ウイルスを拡散しないよう、そうした行動をきっぱりと阻止する必要がある。それと同時に、健康を維持しようとする人々のやる気をそがないようにする必要もある」と付け加えた。

(英語記事 PM criticised over bike ride seven miles from home