2021年01月15日 11:14 公開

フランスのジャン・カステックス首相は14日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として全土で実施している夜間外出禁止制限について、16日から開始時刻を現行の午後8時から午後6時に繰り上げると発表した。

フランスは昨年12月から、午後8時~翌朝6時までの外出を禁止している。今回、この制限を強化する。

16日からフランス全土で始まる新たな夜間外出禁止措置は、少なくとも15日間続く。学校や職場から帰る場合を除き、午後6時までに帰宅しなければならない。

また午後6時以降は緊急のサービスを除き、全ての店舗や事業は閉鎖しなければならない。

カステックス首相は国内の感染者数が「高止まり」していて「心配な」状況だと述べた。

また、入国者に対する新たな制限についても発表した。

フランスの新型ウイルスによる死者数は6万9000人を超え、世界で7番目に多い。

仏国内の状況は「いまだ脆弱」

カステックス首相は14日、病院に依然として大きな負担がかかっているとし、国内の状況は「近隣諸国と比べれば制御できているものの、いまだ脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べた。

夜間外出禁止の強化は、全国的ロックダウンを避けるための手段と見られる。しかし首相は、状況がさらに悪化した場合には「直ちに」追加制限を導入するとした。

政府は社会的な接触を6人までにするよう市民に呼びかけている。外出禁止の開始時刻を早めることで、夜間の複数人での飲酒を止められると期待されている。

フランスは学校運営を維持するため、学校での少なくとも100万件の新型ウイルス検査の実施を目指している。一方、屋内スポーツは再び禁止している。

一部からはワクチン接種の遅れに対する批判が出ている。政府は1月末までに100万人以上に接種を完了することを目標に掲げている。保健省によると、これまでに31万8000人がワクチンを接種した。

「重症化リスクが最も高い人たちへのワクチン接種を早く終えれば、病院が早期にひっ迫のリスクを免れることができる」と、カステックス氏は述べた。

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今回の発表に先立ち、感染の影響が甚大な東部地域の一部では、すでにより厳格な制限が敷かれていた。科学評議会によると、こうした制限が感染率の低下につながっている。

一方で、午後6時までに帰宅しようとする人が集中するとして、夜間外出禁止に批判的な人もいる。

すでに夜間外出禁止令が導入されていたマルセイユの女子ラグビーコーチ、フェリシ・ギノー氏は、マルセイユのラッシュアワーは交通機関が混雑しているとAP通信に述べた。

「みんな午後6時までに帰宅するため必死になっている」

出入国管理の強化

カステックス首相はまた、欧州連合(EU)域外からの渡航者は全員、フランス入国前72時間以内に新型ウイルス検査を受け、陰性でなければならいと説明。入国後は7日間の隔離措置を経て、再びウイルス検査で陰性と判定される必要があるとした。

この出入国管理には、世界中で広がる新型ウイルスの変異株がフランスでまん延するのを抑え込む狙いがある。

イギリスで最初に検出された感染力の高い変異株については特に懸念が生じている。オリヴィエ・ヴェラン仏保健相はこの変異株が国内での新規感染の約1~1.5%を占めていると指摘する。

「我々はこの変異株がフランスで拡大しないよう、あらゆる手だてを尽くさなければならない」と、ヴェラン氏は14日の記者会見で述べた。

夜間外出禁止令を導入する欧州諸国

新型ウイルスの拡大を食い止めるために夜間外出禁止令を導入している国は、フランス以外にもある。

ハンガリーでは午後8時から翌朝5時の間に外出する際、雇用者が作成した外出理由を記載した書面を携帯しなければならない。

ラトヴィアは1月25日まで、毎週金・土・日曜の夜間の外出を禁止している。外出証明書のない人は午後10時から翌朝5時まで外出できない。

ベルギーでは地域によって夜間外出禁止の実施時間が異なる。フランダースでは深夜0時から翌朝5時まで、ブリュッセルとワローニャでは午後10時から翌朝6時までの自宅待機が求められている。

イタリアでは午後10時から翌朝5時まで自宅にとどまらなければならない。

オランダでは外出禁止令の導入が検討されていると、地元メディアが報じている。


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(英語記事 France to tighten evening curfew to combat virus