2021年01月15日 16:02 公開

20日に米大統領に就任するジョー・バイデン氏は14日、新型コロナウイルスの感染拡大に対する1兆9000ドル(約200兆円)規模の追加景気刺激策を発表した。国民1人あたり1400ドル(約14万5000円)の直接給付を含む1兆ドル(約104兆円)の家計支援のほか、4150億ドル(約43兆円)の新型ウイルス対策支援や4400億ドル(約46兆円)の中小企業支援が盛り込まれている。

バイデン氏(民主党)は新型ウイルスのパンデミックに打ち勝つと約束してきた。

昨年の米大統領選では、共和党のドナルド・トランプ大統領よりも新型ウイルス問題にうまく対処すると誓っていた。

同国では日々20万人以上の感染が確認されている。死者は1日あたり4000人を超えることもあり、これまでで38万5000人を超えている。

バイデン氏の主張

バイデン氏は14日、地元デラウェア州ウィルミントンで演説し、「危機的状況下で人々が深く苦しんでいるのは明白であり、ぐずぐずしている暇はない」と述べた。

また、「国民の健康が危機にひんしている」、「我々は今行動しなければならない」とし、こう付け加えた。

「つまづくこともあるだろうが、私はあなた方に対して誠実でありつづける。進展についても、失敗についても」

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新型ウイルス対策の内容

バイデン氏は、新型ウイルスワクチン接種の大規模施設を設置し、遠隔地には移動型の接種ユニットを派遣するなど、国民のワクチン接種支援に200億ドル(約2兆円)を投じたい考えだ。

トランプ政権下では2種類の有効なワクチンが提供されたが、保健当局者は接種事業のスピードを速める必要があると指摘する。

「米国内でのワクチン接種は今のところ悲惨な失敗だと言える」と、バイデン氏は述べた。バイデン政権は20日の発足から100日間でのワクチン1億回分の提供を目指している

バイデン氏が明らかにした計画では、ウイルス検査の拡大に500億ドル(約5兆円)、今春の学校再開に1300億ドル(約13兆5000億円)を出す。

また、接触者を追跡する公衆衛生従事者10万人の雇用支援にも資金も投じる。

経済支援の内容

アメリカでは1100人近くが失業しており、失業保険給付金額を現行の週300ドル(約3万円)から週400ドル(約4万円)に増額することも盛り込まれている。

立ち退きや自宅差し押さえの猶予期間も9月まで延長される。

国民1人あたり1400ドルの直接給付は、昨年12月に決定した600ドルの直接給付に上乗せされる。そのため、給付額は合わせて2000ドルになる。

バイデン氏は最低賃金についても、時給15ドル(約1600円)の倍増を議会に求める方針。民主党は新型ウイルスのパンデミック以前から最低賃金の引き上げに力を入れている。

議会は可決するのか

新型ウイルスのパンデミック対応で膨らんでいる債務をさらに何兆ドルも増やすことに、共和党議員らが反対する可能性は高い。バイデン氏は自身の掲げた計画は「安く済むものではない」と認めている。

しかし、20日から上下両院共に、民主党が僅差ながら優勢となることから、バイデン氏は身内の民主党議員らに助けられることになるだろう。

ただ、バイデン政権の発足後、上院ではまずトランプ氏の弾劾裁判が開かれる。弾劾プロセスがどれくらいのスピードで進むのか、有罪評決が出るのかは不透明だが、バイデン氏のアジェンダ(政策目標)から注意をそらすことになりそうだ。

(英語記事 Biden unveils $1.9tn US economic relief package